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現行の10円玉が「11万円」に大化け、一体なぜ!? 極めて珍しい“音が鳴る”10円玉の正体は……

2024年10月19~20日に開催されたAW第38回オークションから、高額で落札された10円玉を取り上げます。その金額、なんと1万倍以上。机に落とすと他の10円玉とは音が異なったそう。いったいどんな10円玉なのか解説します。※画像出典:AW第38回オークション

伊藤 亮太

執筆者:伊藤 亮太

株式・ファイナンシャルプランナーガイド

先日行われたAW(オークションワールド)第38回コインオークションから、高額で落札された10円玉を取り上げます。その金額、なんと1万倍以上!

何やら机に落とすと他の10円玉とは異なる音がしたとか。いったいどんな10円玉なのか解説していきます。
 

現行の10円玉の価値が1万倍以上に!

その価値が1万倍以上になった10円玉 ※画像出典:AW第38回オークション「Lot.311 日本 十円青銅貨(ギザなし) 10Yen Plain edge 昭和38年(1963) F」

その価値が1万倍以上になった10円玉 ※画像出典:AW第38回オークション「Lot.311 日本 十円青銅貨(ギザなし) 10Yen Plain edge 昭和38年(1963) F」

2024年10月19~20日に入札が終了したAW第38回オークションでは、現行の10円玉が10万1000円(手数料込みで11万2110円)で落札されました。

落札された10円玉は使い古したどこにでもありそうな昭和38年の10円玉です。年号で探せば同じ時期に発行された10円玉は簡単に探すことができることでしょう。では一体なぜこの10円玉は“10万円以上”という高額落札になったのでしょうか?
 

10円玉が表裏で二枚に分かれる“二枚貝現象”に注目

高額落札のわけは「表裏剥離エラー」 ※画像出典:AW第38回オークション「Lot.311 日本 十円青銅貨(ギザなし) 10Yen Plain edge 昭和38年(1963) F」

高額落札のわけは「表裏剥離エラー」 ※画像出典:AW第38回オークション「Lot.311 日本 十円青銅貨(ギザなし) 10Yen Plain edge 昭和38年(1963) F」

実はこの昭和38年の10円玉は、“表裏剥離エラー”と呼ばれるかなりレアなエラーコインなのです。落札された商品を見てみると、表裏でその剥がれた部分の凹凸が一致しています。そのため、別々につくったものなど偽造ではないことが分かります。

AWによると、出品者が「60年ほど前に入手した本品を机に落しても他の十円と音が異なり、面白く何度も落としている内に二枚貝の如く大きく口を開いた状態になってしまった。最後は手で引っ張ると完全に分離してしまった」と伝えています。そのようなことが実際にあるのだろうか?と思えてしまうものの、これもエラーコインの一種といえるのです。
 

剝がさなければさらに高額となっていた可能性大

残念なのが、二枚貝のごとく“大きく口を開いた状態”で保存されていればさらに高額となったこと間違いなしという点。二枚貝のように分離しそうで分離せずにくっついている状態のエラーコインはかなりの珍品といってよいでしょう。

こうした表裏剥離のようなエラーコインはなかなかないかもしれませんが、机などに落として音の異なるコインがあった場合には疑ってみてもよいかもしれません。価値が1万倍以上になるようなお宝を発見できるチャンスが財布の中から見つかることだってあるかもしれないのです。

なお、貝のしじみの場合、中身が詰まったものは「カチン、カチン」と音がするものの、中身が空のしじみは「カポ、カポ」と軽い音がするそうです。こうしてしじみを選別しているそうなのですが、10円玉の剥離しそうなものはいったいどんな音がしたのでしょうか? ぜひ出品者か落札者に聞いてみたいものです。

<参考>
AW第38回オークション「Lot.311 日本 十円青銅貨(ギザなし) 10Yen Plain edge 昭和38年(1963) F」

>次ページ:1万倍以上の価値になった実際の10円玉を見る

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