貯蓄

物価上昇でも給料が上がらない……家計を守る方法は?

この間ネットスーパーでチョコレートのお得用袋を買ったら、チョコレートのサイズが一段と小さくなっていました。お金の価値がどんどん薄れる昨今、どうすれば家計を守れるのでしょうか? 本記事では、筆者なりの考えを共有します。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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物価上昇に負けない方法

物価上昇に負けない方法

先日、読者の方よりこんな質問をいただきました。

「物価は上がるばかりで給料は変わらないし、投資はよく分からないし、ため息ばかりです。何か対策はありますか?」(50代・女性)

筆者も物価上昇の影響を目の当たりにしました。この間ネットスーパーでチョコレートのお得用袋を買ったら、チョコレートのサイズが一段と小さくなっていました。このように、値段は変わらないけれどサイズを小さくしたり、容量を減らしたりする「ステルスインフレ」が進んでいます。

お金の価値がどんどん薄れる昨今、どうすれば家計を守れるのでしょうか? 本記事では、筆者なりの考えを共有します。

もっと稼ぐ

インフレに備える一つ目の方法は「もっと稼ぐ」ことです。給料の良い仕事に就いたり、投資などをして金融資産も有効利用してお金を稼ぐ方法があります。

てっとり早い方法としては「勤め先と昇給を交渉する」ことでしょう。

先日、SNSで「会社を辞めて独立し、勤め先から仕事の契約を取り直しただけで給料が上がった」という話をみかけました。さいきんは人手不足で困っている会社はたくさんありますし、「給料を上げてくれないなら辞める」と言えるくらい、労働者の立場も強くなってきているかと思います。

昇給が難しいようなら、筆者は「自分の価値を最大限に活かせる職場を選ぶ」ことを目指します。

筆者の考えでは、スーパーのレジ係や、宅配輸送、美容師といった、B2C向けのビジネス(消費者向けビジネス)は「仕事量が多いわりに一つひとつの付加価値が小さく儲けにくい」イメージがあります。

同じ労力を使うにしても、例えば「事業者向けに大口取引・大口輸送する」みたいなB2B(企業間で行われる取引)向けのビジネスのほうが仕事が大きいため、給料も良くなりやすいかと思います。

時間の使い方一つで稼げるお金は大きく変わりますから、「自分の時間を最大限、効率よく社会の役に立てるには、どうやって働くのが良いだろうか?」と日頃から考えるのが大切だと思います。

蓄えがある場合は「投資」も選択の一つです。

投資が難しいことは筆者もよく分かりますが、分からないからといって何もしないと、どんどんインフレで貯金の価値は目減りしてしまいます。

分からないなら分からないなりに「無難な投資法」というものがあります。インデックス投資がまさにその例ですので、新しいNISAやiDeCoを使った財産形成について、何冊か本を買って勉強してみると良いでしょう。

たくさん使う

もう一つは対策というより心構えですが「たくさんお金を使う」ことです。

「いやいや、お金を使ったら減っちゃうじゃないか」と思われるかもしれませんが、インフレ下では、お金は使っても使わなくてもなくなります。

であれば、将来のために使う(=投資する)のもそうですが、いまのために使う(=消費する)のもためらう必要はなくなってきます。なにせ、貯金して眠らせておいても腐ってしまうだけですからね。

つまるところ、物価が上がっても「自分ならお金を稼げるから大丈夫」と自信を持てれば不安は軽くなるでしょうし、「どうせお金を貯めても腐ってしまう」と割り切れれば消費にも前向きになれます。

節約ではないインフレ対策

インフレ時代では「節約」や「貯金」にあまり効果がありません。どんなに節約しても、時間と共に物価が上がり、支出はおのずと増えてしまうし、貯金も腐っていくからです。

であれば、収入を増やしたり、過度に多く蓄えたりせずに、投資したり消費したりして「金巡りを良くする」ことが、気持ちよくインフレを乗り切る方法なのではないかと、筆者は考えています。
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