Q. 桐谷さんは、テクニカル分析などを重視されていますか?
「様々な分析ツールがありますが、テクニカル分析などに意味はないという意見も見られます。賛否両論あるかと思いますが、桐谷さんの見解をお聞かせいただけるとありがたいです」(りょくさん/37歳)A. 「テクニカル分析をもとに考えるというよりは、優待内容が良いかどうかで判断していますね」(桐谷さん)
私は、優待内容が良い株を安くなったときに買うというやり方でやっていますが、テクニカル分析をやる人は、値上がりを狙って株を買っているので、私とは投資方法が違います。長年投資をしてきた経験から、長期的な視点で優待株に分散投資するのが一番良いのではないかと思います。株に多くの時間を割かずに済みますし、優待を使って人生を楽しめて、心身の健康にも良いと感じています。
テクニカル分析などをいろいろやって、短期的な値上がりを狙う”狩猟型”の投資だと、株価が上がって儲けることばかりを考えてしまうのではないでしょうか。そうすると、株が下がった場合、やはり憂鬱(ゆううつ)になってしまいますよね。
一方、優待投資は“農業”と似たところがあります。農業も種の蒔き時があって、その時期に種を蒔いて成長するのを待ち、収穫期にようやく実りが得られます。優待投資も安い時に優待株を買い、権利確定日が来て、数カ月後にようやく優待品が届きます。それを楽しみに待つわけですね。
もちろん、投資にはいろいろな手法がありますので、テクニカル分析をして値上がりを狙う投資が悪いというわけではありません。各々が違った手法で投資をするから、株式市場が成り立っているわけです。もし、みんなが優待目的の投資ばかりやっていたら、優待株だけに売り買いが集中してしまいますから……。
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教えてくれたのは……桐谷広人さん
1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。
※紹介している内容は、2024年8月1日に収録した動画から、一部抜粋して編集したものになります。