月見の季節になりました。スマホさえあれば写真を撮れるようになった今、デジカメではなくスマホカメラで月を撮影する人も多いかもしれません。しかし月はなかなか思うように撮りづらい被写体です。そこで今回は、スマホカメラで気軽に月夜の風景撮影を楽しむためのポイントをまとめてみました。
月の模様の撮り方
満月をオートで撮影すると真っ白に写ることがある。
満月を見ると撮りたくなるのが、表面の模様。けれど実際に撮ってみると、月が“白い丸”になってしまう……ということがよくあります。これは、暗い夜空に光る小さな月にレンズを向けたことでカメラの「オート露出」機能がはたらき、明るくなりすぎてしまった結果です。
スマホカメラの明るさの設定を変更する。
そんなときは、「明るさ」の設定を暗く(カメラの「露出補正」をマイナスに設定)して撮ると模様が写りやすくなります。iPhoneの場合はカメラの「+-」マークで露出補正をマイナスに設定すると、暗く写せるようになります。
望遠レンズを使い、できるだけ大きく月をフレームに入れると模様がわかりやすい。
月はできるだけ大きくフレームに入れるのもポイント。ただ、スマホカメラで拡大すると画像を引き伸ばしてしまい、画質が劣ります。アタッチメント式の望遠レンズを使うと撮りやすくなるでしょう。また、手ブレしないようにスマホを固定しておくのもポイントです。
月が昇る「月の出」の時刻はシャッターチャンス
月が昇ってくる風景には独特の美しさがある。
月の模様ではなく月夜の風景を撮影するのも楽しいもの。おすすめは月の出の風景写真を撮ることです。昇り始めのころは月が大きく見えたり、状況によっては色がついて見えたりするときもあります。月だけを撮るのではなく、周りの風景も入れて撮ると月夜の風景写真になります。
水面への反射も撮りどころ。
月明かりは風景を撮るときに生かしたいポイント。月明かりが反射した水面はなんとも美しいものです。川や海に限らず、水たまりのようなところで反射を写すのもいいでしょう。
月と一緒に撮りたい被写体
月の手前に別の被写体を配置するという撮り方もあります。建造物やモニュメントなどの大きな被写体の背景に月が入るように、画面を構成するのです。月が引き立て役となり、被写体の存在感が増した作品になります。
建造物の背後に月が浮かぶ構図で撮影した例。
反対に、月の引き立て役になるものを画面に入れて撮るという手法もあります。この場合は月にピントを合わせ、引き立て役にはボケ効果を加えます。こうすると、月夜の雰囲気がより魅力的に感じられる写真になります。
月の魅力を引き立てる被写体を手前に配置して撮った例。
一緒に撮影する物によって異なる雰囲気を演出できるので、自分の好みのテイストに仕上げられます。様々な撮り方で月夜の写真を楽しんでみてはいかがでしょうか。