株が暴落したときの対処方法とは
こうした状況を受け、
「株価が暴落・暴騰したときには、どう対処したらいいでしょうか? 暴落が起こったときに、うっかり株を手放さないかが心配です。売った瞬間、株価が上がりそう」(50歳)
という質問をいただきました。そこで本記事では、上の質問に対する筆者の考えを共有します。
そもそも、どうして株価の暴落で慌てるのか?
8月5日の暴落は、筆者も驚きました。筆者も株をたくさん持っているのですが、全ての株が1日で10%以上下がりました。1日で1000万円以上も損をしたのは、はじめての経験でした。とはいえ、筆者の場合は「損をして驚く」ことはありましたが、怖くなって株を売ることはありませんでした。SNSなどを見ると怖くて株を投げている人もいたようだったので、あらためて「どうして自分は取り乱さずに居られたのか?」を考えてみました。
要点だけをまとめると、
・追証の心配がなかった
・安いと思う株しか持っていなかった
・投資先の明るい未来に確信している
という3点が大きかったように思います。
まず1つ目が「追証の心配がなかった」ことです。追証というのは信用取引で損が膨らんだとき追加入金が必要になるもので、借金の取り立てみたいなものです。
信用取引などで高いレバレッジをかけて株を買っている人は、株が暴落すると追証にかかり、暴落の底近くで株を売らざるを得なくなるおそれがあります。
信用取引は、うまく使えば利回りを高めることができるでしょうが、下手に使うとリスクを増やすばかりなので、分かっていない人は使わないほうが良いでしょう。
2つ目は「安いと思う株しか持っていなかった」ことです。
いわゆる「大馬鹿理論(すでに割高だと思うけれど、もっと高く買ってくれるバカがいるかもしれないから)」で買った株は、暴落が来たときに持っていられませんし、損をしても文句は言えません。悪いのは割高な株を買った自分です。
一方、安い株なら安心して持っていられます。たとえば、筆者が当時持っていたのは「予想PERが5倍」「予想配当利回りが5%」など、お買い得だと思って買った株しかありませんでした。TOPIXの予想PERは16倍前後、予想配当利回りは2%くらいでしたし、それと比べると大分安いと思っています。
「自分が買ったのは安い株なのだから、暴落してもっと安くなったときに売るなんて馬鹿げている」という気持ちが強かったです。
3つ目は「投資先の明るい未来に確信している」ことです。正直、ここの部分がもっとも大きかったと思います。
8月5日の暴落では株を売りませんでしたが、これまで筆者は「暴落にビビって株を売る」経験が何度もあります。
株を買うときには安いと思っているし、良い株とも思っているのですが、大事なことを見落としていて「実は、自分が思っていたよりも将来性がないんじゃないか」「自分が思い描いていたのは絵に描いた餅じゃないか」と感じてしまうのです。
こういう心配事は放置しちゃダメで、投資先のことを徹底的に調べ直して、心配が払拭されるなら安心して持ち続けられますし、心配が払拭されないようなら別の株に乗り換えたりするべきです。
株価が暴騰・暴落したときの対処法
とはいえ、準備ができていないうちに暴騰や暴落があったら、どうすれば良いでしょうか。株価が暴騰したときの対処法は、「株価が上がったことで割高になったタイミングから少しずつ利益を確定していき、もっと自信を持てる【安くて良い株へ乗り換える】」のがセオリーだと思います。
暴落したときの対処法は、まずは何より株価が暴落した原因を調べることです。原因を調べてみて「特に問題がなく、むしろ株価が下がったことで割安感が増している」と判断するなら買い増すのが正解だと思います。
一方、暴落した原因が業績悪化などで、業績の立て直しが困難で、まだまだ株価が下がりそうならばもっと下がるリスクがあるとなったら、筆者なら損切りします。そして、株を売って手に入れたお金で、もっと安心して持てる別の株に乗り換えるでしょう。
話をまとめると、株価が暴落しても慌てないためには、「リスクを取りすぎないこと」「安い株を持つこと」「投資先の明るい未来に確信が持てること」という3点が、暴落でも慌てないために大事なのだと思います。