NG行為1. 室外機に水を掛けて冷やしたり、上にモノを置いたりする
エアコンは室内機の中にある熱交換器を冷媒と呼ばれるガスで冷やし、そこに部屋の空気を通すことで、冷気を作り出しています。その際、室内機の熱交換器を冷やす代わりに、室外機では熱が発生します。室外機に内蔵されている大きなファンが回転しているのは、この熱を冷ますためなのです。猛暑日などに室外機が熱くなりすぎるとこうした排熱がうまくできず、結果的に室内機が冷やせなくなり、冷房効率が下がることがあります。これを防ぐために、室外機に直射日光が当たらないようにする工夫がよく紹介されているのです。
このときに注意したいのが、室外機に負荷を与えないようにすることです。例えば、室外機に直接水をかけて冷やすのはNGです。室外機は屋外に置くため、基本的には防水構造ですが、横からホースなどで水をかけることは想定されていません。室外機の中にある電子回路などに水が入ると故障する可能性もあります。また、急激に冷やされることでコンプレッサーなどが不具合を起こす可能性もあります。
また、室外機の上に物を置くのも原則としてNG。うまく排熱できなくなったり、熱がたまってしまったりする場合があります。日よけカバー(遮光ネット)なども販売されてはいますが、おすすめなのはすだれなどを少し離した位置に設置すること。その場合も室外機の前は広く開けておくことを心がけましょう。
NG行為2. エアコン掃除スプレーで室内機を掃除する
近年、見かけることが多いのがエアコン掃除(洗浄)スプレー。室内機の中に吹きかけるだけで熱交換器に付着した汚れが落とせるとされています。しかし、こういったエアコン掃除(洗浄)スプレーの使用は基本的にNG。スプレーの成分がエアコン内部の電気系統に侵入した場合、故障の可能性もあります。
また、汚れ落ち性能にも疑問が残ります。スプレーが直接かかる正面部分の汚れは取れても内部までは届きません。また、スプレーだけではエアコンクリーニングのようにしっかり洗い流すことができないため、中途半端に取れたホコリが内部で固まって付着することもあります。
安易にエアコン掃除スプレーに頼るのではなく、エアコン内部からのニオイなどを感じたら、メーカーのメンテナンスや専門の業者への依頼がおすすめです。特に、キッチンと繋がっているリビングにとりつけられたエアコンは油分が含まれた空気を吸い込むため、内部で油分とホコリが一緒になっていることがあります。こういった汚れは簡単にはとれません。できるだけスプレーなどは使わず、プロに掃除してもらいましょう。
NG行為3. 電源をずっとつけっぱなしで使う
エアコンの節電方法の1つとして、こまめに電源を落とすのではなく、つけっぱなしにする、というものがあります。エアコンは室温を下げるときにより多くの電力を消費するため、室温の維持を目的とする場合にはつけっぱなしの方が消費電力が少なくなるためです。外気温や部屋の構造、環境にもよりますが、一般的には30分程度の不在ならつけっぱなしの方がいいといわれています。注意したいのは、このつけっぱなしの運転を長期で行う場合。家族が交互に入れ替わるリビングなどは24時間つけっぱなしになることもあるかと思います。しかし、エアコンは電源をオフにしたときに内部クリーニング運転をしたり、お掃除機能が動作するため、エアコンがつけっぱなしになると内部のメンテナンスができません。それだけフィルターにホコリが付着するということです。
また、つけっぱなし運転は、コンプレッサーや電気回路などへの負荷も大きくなります。通常のエアコンは、夏冬に8時間ずつ動作して約10年使えるように設計されていますが、24時間稼働させるとその3倍の時間使うことになります。それだけエアコンの寿命がくるのも早くなってしまいます。
長時間エアコンをつけっぱなしで使う場合でも、定期的に電源をオフにして、内部のメンテナンスを行い、機器を少し休ませましょう。
いかがでしたでしょうか。以上のNG行為を避けながら、エアコンを上手に使って快適な夏を過ごしてくださいね。