社交性のない夫の理解できない行動
「つい先日、ママ友一家と一緒に少し離れた場所のお祭りに出かけたんです。うちもママ友家も娘がふたりずつ。浴衣を着せて、それぞれ車で現地へ行って。帰り際、子どもたちが何か食べたい、喉が渇いたと言いだしましたが、騒がしくるなるのがわかっているので、ファストフード店へ行きました」そう言うのはルミさん(42歳)だ。8歳と5歳の女の子がいる。ママ友のカナコさんには8歳と6歳の女の子。長女同士が同級生のため知り合い、仲良くなった。
「お店に入ると、娘たちはトイレに行きたいといっせいに移動。カナコさんのところのパパは、すぐにテーブルを動かして8人分の席を作りました。さらに『買ってきますよ。何にします? あ、ママ、娘たちにも聞いてきてくれる?』とテキパキと、だけど優しく声がけ。あ、私も行きますよと言いつつ、夫を見ると夫はせっかく用意してくれた8人分の席から少し離れたところにポツンと座ってる」
夫の様子は「すごくみじめでした」
ルミさんの夫は、もともとあまり社交性があるタイプではない。それはわかっていたが、こういう場面でひとり離れるという神経がわからなかった。「あなたも一緒に買いに行ってよと言うと、スマホを見ながら『オレは水でいい』って。いや、そういう問題じゃないから。この場をわかってる? と小声ながら叱責すると『ちょっと電話してくるわ』って。普段からWEB関係の仕事をひとりでしているので、周りを見ることに慣れていないのかもしれないけど、あまりにも常識知らず。頭に血が上ってしまいました」
結局、カナコさん夫妻が注文をとって持ってきてくれ、代わりにルミさんは8人分の水を持ってきて、トイレに並んだ娘たちの様子を見にいったりした。そしてルミさんの夫はついに何もしないまま、離れた席でずっとスマホをいじっていた。
「娘たちは仲良しで、あれやこれやとおしゃべりに花が咲いていました。私とカナコさん夫妻も3人でお祭りのことを振り返ったり、写真を見せ合ったりしながら盛り上がって。カナコさん夫妻は、うちの夫にも気を遣ってくれて『お疲れじゃないの? 大丈夫?』って。社交性がなくてごめんなさいと謝ったけど、なんだかすごくみじめでした」
家の中ではしゃべるし、家事もしてくれる夫なのだが、「人前には出せないことを改めて感じた」とルミさんは悲しそうに言った。
>社交はできるが、やや厄介なタイプもいる