今回は、富山労働局職業安定部訓練課の林課長補佐、職業安定課の松下地方職業指導官に、さまざまな事情で働けない就職氷河期世代の方々の駆け込み寺的な場所となる「サポステ」について、詳しいお話をお聞きしました。
いざ働きたくても「どうしたらいいかわからない……」という方向けの駆け込み寺「サポステ」とは?
――就職氷河期世代の方の中には、何かの理由で仕事ができなくなった、場合によっては家で引きこもっている方がいるかもしれません。そんな方が「社会参加や自立のために働きたいけど、どうしたらいいかわからない……」という場合、ハローワークに相談に来てもいいのですか?松下地方職業指導官: もしかしたら、一部の方は「雇用保険に加入している人しか職業相談を受けられないのではないか?」と誤解されているかもしれませんが、ハローワークでの職業相談は、基本どんな方でも利用できます。
質問の中にあった、しばらく引きこもっていて現状働いていないという方も「ミドル世代就職応援コーナー(就職氷河期世代専門窓口)」※1で、職業相談を利用していただけます。
「ミドル世代就職応援コーナー(就職氷河期世代専門窓口)」とは、ハローワークにある就職氷河期世代の専門窓口です。
ただ、しばらく家で引きこもっていた方が「働きたい」と思っても、すぐに働ける状態かといえば、そうでないケースも多くみられます。
例えば、昼夜の生活が逆転している、人とのコミュニケーションから遠ざかっている場合などは、いきなり通常どおり働くのはハードルが高いのではないでしょうか。そんな方々は、まず、生活リズムを整えるなどして働ける状態に持っていくことが先に必要です。そんなときは、厚生労働省委託の支援機関である「サポステ」をご紹介します。
※1:「ミドル世代就職応援コーナー(就職氷河期世代専門窓口)」は全国の主要なハローワークに設置されています。遠くて相談に行けないなどの場合は、最寄りのハローワークでも相談できます。
富山ではミドル世代就職応援コーナーという名称ですが、他のエリアでは若干名称が異なります。たとえば、新潟では「就職氷河期世代支援コーナー」という名称を使用しています。
――サポステとは、どんなことをする機関なのでしょうか?
林課長補佐:「サポステ」は、働くことに対する「あらゆる悩み相談」「職場定着」までをサポートする厚生労働省委託の支援機関です。
サポステが利用できる対象年齢は15~49歳まで。就職氷河期世代の方だけに限定していません。コミュニケーションが苦手、人間関係でつまずいた、自信がないなど、働きたいけど一歩が踏み出せないなどをバックアップする組織です。
富山県には、「富山地域若者サポートステーション」「高岡地域若者サポートステーション」「にいかわ若者サポートステーション」の3カ所があります。他の都道府県でも設置数にばらつきはありますが設置されています。
まずは、サポステで、「働き出せるまで」の支援を受け、その後、働ける状況になったら、ハローワークの就職支援サポートを受けましょう。
サポステとハローワークは連携しているので、相談に来られた方が、自分らしい人生を歩み出すためのサポートが充実しています。