真夏に好評、日よけパラソル
日差しが強い季節になると、韓国の路上に登場するものがある。それは「日よけのパラソル」。主に横断歩道前の歩道に設置されており、信号待ちの間、歩行者が日陰にいられるよう配慮したものだ。2015年にソウルで採用されて以降、全国的に設置されるようになった。パラソルの形や機能はいろいろ種類があり、ビーチパラソルに似た形のものや、左右に幅広く広がっているもの、気温を感知し、一定以上の暑さになると自動で開閉するものもある。
炎天下ではわずかな時間でも立っているのはつらいもの。特に、信号が変わるまでの時間が長い交差点では、このパラソルの存在はありがたい。
子どもや高齢者を熱中症から守る役目も果たしているし、日焼けを徹底的に避けたい人たちが駆け込める安全地帯的な存在でもある。パラソルの色は緑が多く、他に灰色、白色、黄色などがある。
黄色であふれる子ども保護区域
子どもの保護区域内は、車両の通行が時速20~30kmに制限されている。主に学校付近の通学路は信号や表札の柱が黄色に塗られているほか、保護区域内にある日よけのパラソルは黄色であることが多い。他にも、通学路が全面黄色で塗装されているところや、「イエローカーペット」と呼ばれる大きな三角形の表示が道端に設置してある地域もある。これらは全て、ドライバーが一目で子どもたちの通学路だと分かるようにするためのもので、安全運転を促す役割を果たしている。
ちなみにこの目につきやすいイエローカーペットは、しばしば近所の住民の待ち合わせ場所としても役立っている。
歩きスマホの歩行者を守る歩道上のLEDタイル
横断歩道や交差点に設置されている「道路上の光るLEDタイル状の表示」は、歩行者の安全に役立っている。歩行者用信号機と連動しており、信号が赤になればタイルも赤い光になり、青になればタイルも緑に変わる。これは特に夜間、周囲が暗い時間帯に信号機と同じ役割を果たしており、視線が低い小さな子ども、歩きスマホの大人たちも、たとえ下の方しか目に入っていなくても信号機が変わったことに気付きやすい。
大きなトラックが停車しているせいで歩行者用信号機が隠れて見えないこともあるが、その際も足元のLEDライトで信号機の色を確認できるので便利だ。
筆者も犬の散歩中に何度かこの機能には助けられた。どうしても視線は犬の方にばかり向いてしまいがちで、横断歩道に差し掛かったとき、道路上の光る表示が赤になっていてハっと立ち止まったことが何度かある。
現在の野外状況を知らせてくれる電子パネル
最後に紹介するのは、PM2.5などの粒子状物質の濃度、天気、気温などを表示する「電子パネル」だ。これは交差点などの近くにあることもあるが、広場や公園、大きな駅などに設置してあることが多い。韓国は黄砂の影響も大きいので、屋外で空気の状態を確認できるとマスク着用の判断や、天気の変化に対応するのに役立っている。
韓国に広く浸透している屋外の便利なシステムや設備の数々、いずれも今後設置場所は増える見込みだ。韓国旅行の際は、ちょっと気を付けて街のあちこちを観察してみてほしい。ユニークなアイテムを発見できるかもしれない。