勢いが止まらない「BeReal」の魅力とは
Z世代に人気の「BeReal」、ご存じでしょうか。日本では、2023年初めから注目され始め、MAU(Monthly Active Users、月当たりのアクティブユーザー数)が1年で10倍以上になった大人気のSNSアプリです(2024年5月 Sensor Tower調べ )。BeRealの魅力は、これまでのSNSとは違う独特のゲーム性にあります。アプリから通知が来たら、2分以内にインカメラ・アウトカメラで撮影した写真(もしくは数秒の動画)をシェアします。2分を過ぎても投稿はできますが、その場合は複数枚投稿できる「ボーナス」を逃すことになります。
また、自分の写真を投稿するまで、友達の投稿を見ることはできません。通知は一斉に送られてくるため、友達と一緒に盛り上がりたければ、なるべく制限時間内に撮影する必要があります。 BeRealの大きな特徴は、もうひとつあります。それは、「盛れない」こと。基本的に、BeRealのカメラで撮影した加工なしの写真や動画しか投稿できません。iOS版にはスマホに保存してある写真の中からランダムに写真を選ぶ「Roulette(ルーレット)」という機能もあり、インカメラで撮影した写真と一緒に投稿することができますが、こちらも加工はできません。
つまり、「2分以内に撮影」し、「無加工の写真や動画を投稿」することがBeRealならではの楽しさなのです。
BeRealを使う上で起こりうるリスク
一方でこの特徴がリスクになる場合もあります。1. 個人情報が流出してしまう
BeRealの通知が来る時間はランダムです。早朝のこともあれば、夕食後のこともあり、自宅で撮影することになるケースも。すると、部屋に置いていた郵便物が写り込んだり、部屋の窓から見える風景が写り込んだりしてしまい、投稿主の氏名や自宅の場所が特定可能になる状況も起こり得ます。
また、制服姿で撮影すれば、制服から学校名が明らかになる場合もあります。BeRealでは基本的に親しい友人と繋がっている人が多いと思いますが、友達の友達へと繋がりが広がっていくと、やがて知らない人とも繋がってしまいます。個人情報が他人に渡ってしまうおそれも十分あるでしょう。
2. 許可なく周囲を写してしまう
BeRealでは、通知が来てから2分以内に投稿することを求められるため、通知が来れば授業中の教室、バイト中のバックヤード、自宅などどこでも撮影しがちです。しかも制限時間内に投稿しようと慌ててしまうと、写真のチェックがおろそかになることもあります。
しかも、撮影した写真や動画を加工することができないため、関係者以外に見られると困るものが写り込んでも、モザイクなどを入れることはできません。自宅で撮影したことによって、思わぬ形で家族のプライバシーが流出してしまうかもしれませんし、バックヤードで撮影したことでバイト先の情報を漏洩させてしまうかもしれません。
また、偶然近くにいた人を撮影してしまう可能性もあります。写り込んでしまった人、またそれに気がついた人は不快感や不安を感じるかもしれませんが、写り込みに配慮せずにそのまま投稿してしまう撮影者もいるでしょう。
3. シャッター音で迷惑をかけてしまう
「BeReal来た」という流行語にも表れているように、通知が来るとみんなワクワクし、一斉にシャッターを切り始めます。ですが、コンサートや演劇を鑑賞している時、静かなレストランで食事をしている時など、TPOをわきまえずに撮影を始めると、周囲への迷惑になります。
授業中でも撮影し始める人がいることから、若者の間でも「BeRealは迷惑だからやめろ」と訴える人も。BeRealを巡っていさかいが起きることもあるかもしれません。
4. 位置情報を悪用される
BeRealの投稿には、位置情報を付けられます。位置情報を設定すると、投稿している時間にどこにいるのかが繋がっている人にわかってしまいます。
前述のように、BeRealでは親しい友人以外とも繋がってしまう可能性があります。中には入手した位置情報を悪用し、ストーカー行為をする人がいるかもしれません。
BeRealを安全に使うための対策
以上のようなリスクをふまえ、BeRealを安全に使うための設定を紹介します。1. 繋がる人を限定する
BeRealはプライバシーが漏れやすいため、繋がる人を限定しておきましょう。画面右上のプロフィールボタンからプロフィールを開き、プライバシーの設定で「自分を電話番号で検索する」「連絡先の同期」をオフにしておきます。
2. タグ付けを解除する
友達の投稿にタグ付けされると、知り合いでない人にも姿を見られてしまうかもしれません。タグ付けを解除したい場合は、その投稿を開き、メニューボタンの「自分のタグを解除」からタグを消します。
3. 公開範囲を「私の友達のみ」に限定する
BeRealの公開範囲は「私の友達のみ」に設定し、「私の友達+友達の友達」は避けましょう。投稿後に公開範囲を限定したくなったら、メニューの「オーディエンスを変更」から設定できます。
4. 位置情報をオフにする
投稿に付けられる位置情報は「オフ」にします。人気のスポットにいるときは位置情報を付けたくなるかもしれませんが、ストーカーや知らない人に狙われるリスクもありますので、「オフ」にしておくと安心です。
5. 拡大して画像や動画を確認する
写ってはいけないものが写っていないかどうかを、投稿前に確認します。BeRealでは、インカメラとアウトカメラで撮影した写真が一枚に収まっているように見えますが、タップすると切り替えられ、拡大して確認することもできます。写真を拡大して余計なものが写っていたら、撮影し直すか、投稿を削除しましょう。 撮影する際のTPOにも注意が必要です。「撮影をお控えください」などの注意喚起がされている場所はもちろん、静かな場所や音を出してはいけない場所、多くの人が写り込みそうな場所では撮影を控えましょう。
BeRealは大学生から流行が始まり、今や中学生でも楽しんでいるサービスです。安心して楽しむためには、上記の注意点を踏まえて使ってほしいと思います。また、ご自分は使っていないという方でも、もしお子さんが利用している場合は、ぜひ今回ご紹介したことについてお話ししてあげてくださいね。