よその夫婦を見て勝手にモヤモヤ……焦りを感じないようにするには?
「よそはよそ、うちはうち」の精神で!
子どもの頃、「お友達の家は、自分の家よりもこんなところが恵まれていて、うらやましい」といった話をすると、親に「よそはよそ、うちはうち!」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか。まさに、家庭の数だけルールも生活スタイルも違ってくるので、比べても意味はないのです。自分とその人は違う人間ですし、合うものも違います。よその夫婦が円満そうであっても、どの家庭にもそれぞれ事情はあります。表向きは仲良さそうにしていても、互いにどこか我慢していたり、仲良くいるための努力をしていたり……。やはり、全ての価値観が一致する相手はいないので、それなりの忍耐も必要なもの。
そのうらやましいと思う夫婦が、円満でいるためにどんな努力をしているのか、その裏側まで見ることができたら、場合によっては、「私にはまねできない。うちは、このままでいい!」と思うこともあるかもしれません。
円満そうに見える夫婦ほど離婚しやすいことも……
いくら表向きうまくいっているような夫婦であっても、実は家に帰ったら「仮面夫婦」だなんてことも、よく聞きます。これはケースバイケースですが、「外で仲良さそうにしている夫婦ほど、離婚しやすい」なんて話もあります。結局、家の中ではうまくいっていないことを周りに気づかせないために、“仲のいいフリ”をしているケースもあるからです。逆に、堂々とパートナーの愚痴を言っているような人の方が、意外と家庭はうまくいっていることさえあります。
結婚したからといって、ずっと夫婦でいられるとは限りません。どんなにうまくいっていても、ある出来事がきっかけに、どちらか、もしくは双方の気が変わってしまうことだってあり得ます。だから、よその家庭のことなど気にしていないで、自分たち夫婦が円満でいることに集中した方がいいでしょう。
「隣の芝生は青く見える」が、青がいいとは限らない?
仲のいい夫婦を見てモヤモヤするときは、自分の家庭に不満を抱いていることが多いもの。「なぜ、私の夫(妻)は、こんなところがあるのだろう」とストレスを溜めていることもあるでしょう。ただそれはもう、自分が選んだ相手なのだから、自分にも責任はあると考え、このまま関係を続けたいなら、“そういう人”だと受け止めていくしかない場合も。相手らしさをきちんと認めた方が、いい関係は築きやすくなります。人は、自分らしくいられない環境では、幸せになれないですしね。
日頃から、コミュニケーションをきちんととっていると、すれ違いは起こりにくくなります。特に、相手のすてきなところを褒めてあげたり、感謝の言葉をきちんと言ったりしたほうがいいでしょう。やはり褒めてくれたり、「ありがとう」と言われたりすると、愛を感じてうれしいものですよね。そうすると、夫婦は似てくるところがあるので、相手も言ってくれるようになりやすいでしょう。
また、どんな環境も必ずと言ってもいいくらいに、メリットとデメリットはあるので、「自分の家庭ならではのいいところ」も、必ずあるはずです。例えば、よその夫婦が2人で旅行に行っていることに対してうらやましく感じたとしても、逆に、自分は夫(妻)と一緒に行かない代わりに、友達との旅行や1人旅は行きやすい、なんてこともあります。
「隣の芝生は青く見える」ものですが、青いのがいいとは限りません。自分たちの芝生は、“自分たちの夫婦らしい色”にした方がいいでしょう。
よその家庭のいいところは“参考”程度に留めるべし
もちろん、本当にうまくいっている夫婦はいるし、そこには必ず理由があります。「気が合う」のはもちろんのこと、「人として尊敬している」「価値観が似ているから一緒にいて楽しい」など。もし、よその夫婦のことがうらやましかったら、「なぜ、その夫婦はうまくいっているのか」まできちんと観察して、まねしてみるといいでしょう。例えば、「夫と妻がそれぞれ精神的に自立していて、相手らしさを尊重できる夫婦」は、うまくいきやすいところがあります。どちらかが依存していると、自分が快適になるために相手を利用してしまうところがあるので、相手が望み通りのことをしてくれないと不満をもちやすくなります。
逆に、依存される側も、自分らしさを奪われるので、窮屈さを感じることは少なくありません。またそれぞれが「自分で自己を幸せにすること」ができると、相手のことも幸せにできる心の余裕が生まれます。
精神的な自立をしている人は、よその家庭をうらやましいと感じないことは多いもの。自分の幸せは、「自分次第」だと考えるし、実際に“自分にとっての幸せ”をつかんでいることを自覚しているからです。精神的な自立は、夫婦間の話に限らず、人の成熟としても大切なことなので、できるようになった方が幸せになりやすいでしょう。
夫婦の形は十人十色。「よそはよそ、うちはうち」でも、すてきなところは参考にして、“自分たちにとっての幸せな夫婦の形”を作っていきたいものですね。