貯蓄

新NISAで大損…どう対処する?

新NISAで損をしてしまい、どう対処すべきか迷っている方へ。大きな損を被ると、感情的・衝動的な投資判断を下しがちです。この記事では、大損したときに判断を間違えないために、考慮すべき物事や判断基準について解説します。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

  • Comment Page Icon
新NISAで損をしてしまい、どう対処すべきか迷っている方へ。
 
大きな損を被ると、「損を取り戻すために買い増ししたい」や「はやく売って損を忘れたい」といった感情的で衝動的な投資判断を下しがちです。
 
これらの投資判断は、そのときは正しく感じるものですが、冷静になって考え直すと間違っていたり、後悔につながったりするので気をつけましょう。
 
この記事では、大損したときに判断を間違えないために、考慮すべき物事や判断基準について解説します。

お断り:読者の対象

前もってお伝えすると、この記事の想定読者は「短期売買で儲けよう」と考えているトレーダーではなく、「中長期で投資をして、配当収入を受け取ったり、投資先の成長とともに値上がりする」ことを狙ったりする中長期投資家です。

大損したときに「いま持っている投資先をそのまま持ち続けるべきか?」「それとも、損を受け入れて撤退して、別の投資先へ乗り換えるべきか?」を判断するときに、考慮すべき大事な物事をまとめます。

投資先の現在のインカムを考える

まず筆者が大事だと考えるのは、投資先から受け取れる現在のインカムです。
 
株を持っていれば配当収入がありますし、債券を持っていれば利息収入があります。不動産なら家賃収入です。
 
いずれを選ぶにしても、投資家なら「自分の投資先から、定期的にどれくらいのキャッシュを引き出せるのか?」が気になるはずです。退職された方であれば、配当収入を生活費の一部として充てている方も多いかと思います。

日本のREITには「利回り4%の岩盤」という経験測があり(1)、分配金利回りが4%を超えると価格が下がりにくくなるといわれています。株式もこれと似ていて、配当利回りが4%を超える株は株価が下がりにくいです。
 
インカムの利回りが高い投資先を保有している場合、少ない資産で大きな収入源になるため、損をしたからといって手放すには惜しいでしょう。

投資先の将来のインカムを考える

加えて、インカムの将来性も重要です。

時間が経つとともにインカムが減っていきそうな投資先は、インカムの利回りが高くても時間とともに評価額も下がってしまうでしょうから、将来性の高い別の資産へ乗り換えたほうが良い可能性が高いです。
 
逆に、インカムが増えていきそうな投資先なら、時間が経つとともに評価額も上がるでしょうから、評価損をしても持ち続けて、インカムを受け取り続けるのが得策だと考えられます。
 
多くの場合、投資先の株価が下がるときは「将来性に疑義が生じる」場合です。元の業績が悪かったり、事業環境が悪かったりすると、評価額が下がってしまうのです。
 
将来性を見積もるのは難しいですが、やらずに投資先の価値は分かりません。分からないなりに見積もるのが大事です。筆者の場合、自分が投資したときに思い描いた成長シナリオが崩れていないか、都度都度確認するようにしています。

まとめ 

新NISAに限らず、損をすると、つい感情的に判断しがちです。とはいえ、投資では大きなお金を動かすので、ちょっとした判断ミスでも何万円と損をしてしまう可能性があるので気をつけましょう。
 
損をしたときは、自分の投資先について見つめ直すよい機会だと考えましょう。見つめ直した上で「やはりこの会社に投資するのはただしい」と感じれば買い増すのも手ですし、逆に「間違っていた」と思うなら、別の投資先へ乗り換える良い機会です。冷静に状況を分析し、最適な対応を取りたいものですね。
 
参考
1. 日本経済新聞社.2023年1月5日『REIT利回り4%の岩盤「消去法の買い」で底堅さ』. 今堀祥和
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます