暑さを感じる日が増えてくる今の季節。そろそろエアコンをつけよう……と考えた人や、実際につけた人も多いのではないでしょうか。
そんなタイミングで大切なのが、エアコンの試運転。今回は、夏本番となる前にエアコンの試運転をしたほうがいい理由と、正しい試運転の方法を紹介します。
エアコンの試運転を「早めにしたほうがいい」理由って?
エアコンの試運転をする最大の理由は、「正しく冷房が動くかどうか」確認するため。つまり、不具合を早く発見することです。例えば、7月の真夏日になってから、エアコンをつけて、正しく動かなければ、暑くて大変なことになってしまいます。
また、7月以降にエアコンの修理や買い換えを行う場合、工事が混雑します。パナソニックの調査によると、7~8月にエアコンを購入・修理した場合、約4割の人がきちんと使えるようになるまで2週間以上待ったということです(※1)。
連日30℃を超えるような真夏にエアコンが動かなくなってしまえば、日常生活がままならなくなりますし、熱中症リスクなども高まります。本格的に暑くなる前に、エアコンがきちんと使えるかどうかを確認することが重要なのです。
試運転はいつまでにすればよい?
では、いつまでにエアコンの試運転をすればよいのでしょうか。一般社団法人 日本冷凍空調工業会は、2022年に4月10日を「エアコン4運10(しうんてん)」の日に制定しています。とはいえ、新学期早々は、いろいろと日常生活が忙しいもの。そのため、1番のおすすめはゴールデンウィークの休暇中です。しかし、ゴールデンウィーク中も試運転を実施せず、この時期まで来てしまった……なんて人も多いのではないでしょうか。日立ジョンソンコントロールズの調査では、エアコンを使い始めた時期は5月が10.3%、6月が36.5%、7月が41.3%でしたので、7月以降は修理や工事が混み合うことを考えれば、できれば6月中に試運転を済ませておくのがおすすめです(※2)。
試運転の正しい方法は?
実際にエアコンの試運転・メンテナンスを行う場合には、使っているエアコンのメーカーのWebサイトなどを事前に確認しておくのがおすすめです。今回は、富士通ゼネラルによる「エアコン試運転 8つの確認ポイント」を元に解説をしていきます。
エアコンの試運転で行うことは大きく分けて3つ。1つがフィルターの掃除などの基本的なメンテナンス、2つ目がコンセントやリモコンの電池などの確認、3つ目が実際の試運転です。
1:フィルター掃除など、基本的なメンテナンスをする
はじめに、エアコンのカバーなどを開けてフィルターを取り外してみましょう。フィルターが汚れていたり、ほこりがついている場合には、しっかりと掃除をします。掃除機で吸い取ったり、水洗いを行いましょう。また、機種によってはダストボックスにホコリなどがたまっている場合もあるので、それらも取り除いておきましょう。
また、エアコンをリビングなどに設置している場合、料理の油汚れなどを吸い込むことがあり、内部(熱交換器など)に汚れがこびりついていることがあります。そういった汚れが気になる場合はクリーニングを依頼するのも方法です。自動お掃除機能を搭載しているエアコンの場合は、マニュアルを参照してメンテナンスを行うのがおすすめです。
また、室内機だけではなく、室外機もチェックしましょう。室外機の上や前に余計なものが置かれていないことや、排水ホースの状態などを確認してください。
2:電源回りの確認をする
掃除が終わったら、電源周りの確認を行います。「エアコンがつかない!」と焦っていたら、待機電力を減らすために、電源プラグを抜いていたり、ブレーカーを落としていたなんてことも。これらも事前にチェックしておきましょう。
3:実際に試運転をしてみる
続いてエアコンの試運転を行います。まずは温度設定を18℃まで下げて冷房運転をスタート。しっかりと冷気が出るかどうか確認しましょう。このとき、26℃ぐらいだと、室温との差が少なく冷風が出ないことがあります。設定温度は室温よりも3℃以上下げることが大切です。
問題なく冷風が吹き出すようなら、そのまま20~30分程度、運転を続けます。このとき、水漏れや異音、異臭を確認しましょう。そういった問題がなければ試運転は終了です。
試運転やフィルター掃除などのメンテナンスをすることなくエアコンを稼働させると、負荷がかかりすぎて故障が発生する原因にもなります。エアコンを長く快適に使うためにも、夏本番を迎える前に試運転をしておきましょう。
<参考>
※1:「暑くなる前にチェック!エアコンの試運転とフィルターのお掃除」(パナソニック)
※2:「エアコンの試運転に関する調査結果」(日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社)