配当投資をするときのコツ
とはいえ、高配当株もピンからキリまであります。今年はたくさん配当がもらえても、翌年から大きく配当がカットされてしまう株もあります。どうせ買うなら、いまたっぷり配当を受け取れるだけでなく、右肩上がりに配当収入を増やしたいものです。
そこで本記事では、配当収入を増やしたい人が確認すべきポイントについて解説します。
配当収入を増やす2つの方法
配当収入を増やす方法は2つあります。1つが「増配しやすい株を買い、増配しにくい株を避ける」方法です。つまり、これから成長して増配しそうな会社に投資する方法です。
もう1つが、「配当利回りの高い株へ乗り換える」方法です。いま持っている株にこだわらず、ほかの株に乗り換えることで、もっと配当を受け取れないかを吟味します。
これらの2点を実践することで、すこしずつ配当収入を増やすことができるでしょう。
増配しやすい株を買い、増配しにくい株を避ける
1つ目の方法が、増配しやすい株を買い、増配しにくい株を避ける方法です。筆者の投資経験上、増配しやすい株とそうでない株には、以下の2つの違いが見られます。競争環境が穏やかで、大きな難なく利益を増やせるかどうか
増配しにくい株は、競争が激しい業界に属していることが多いです。シェア争いや価格競争に巻き込まれて、利益が圧迫されてしまうからです。逆に、増配しやすい株は、競争が少なく難なく成長できる傾向があります。うまく成長できれば利益が伸びて配当金も増えると期待できます。
筆者は競争環境について調べるときには、「値上げに苦労しているかどうか」を確認します。
原材料費が上がっているのになかなか値上げに踏み切れない会社は、熾烈な価格競争に巻き込まれているため、業績を伸ばすのが難しいでしょう。
逆に、難なく値上げできる会社は、競争が穏やかか、有利な事業立地(差別化)がある可能性が高いため、中長期で投資していれば、利益が伸び、配当収入も増やせそうです。
株主還元の方針が明示されているかどうか
次に確認すべき点は、株主還元の方針です。上場企業の中には、会社のお金をどのようにして株主に還元するかを示している会社があります。たとえば、「利益の3割を配当に回す(配当性向3割)」「株主資本の3%を配当に回す(株主資本配当率3%)」「累進配当(着実に増配する、配当を減らさない)」などの方針があります。
増配しにくい株は、株主還元の方針が明示していないことが多いです。方針がうやむやななので、業績が伸びてもほとんど増配しないことがあるのです。一方、増配しやすい株は、株主還元の方針を明確に打ち出していますので、業績が伸びたり、財務基盤が健全になったりするにつれて、配当を増やすと期待できます。
株主還元の方針は、決算説明資料や公式ウェブサイトで確認できます。筆者が投資先について調べるときは、まずここから調べるようにしています。
配当利回りの高い株へ、投資先を乗り換える
2つ目が、いま持っている株よりも配当利回りの高い株へ乗り換える方法です。配当利回りとは、1年で受け取れる配当を投資資金で割ったものです。100円の株を買って1年で3円の配当を受け取れる場合、配当利回りは3÷100=3%となります。
配当利回りが高いほど、少ない投資額で多くの配当金を受け取ることができます。たとえば、いま持っている株の配当利回りが3%でも、別に配当利回り4%の株があるなら、そっちに乗り換えれば1%分の配当収入を増やすことができます。たくさん配当収入を受け取れそうな投資先が見つかったら、いまの株を売って、そっちに乗り換えるだけで、収入を増やすことができます。
乗り換え先を探すときには、前述した点(競争環境が穏やかかどうか、株主還元の方針が明示されているかどうか)も合わせて確認するのがおすすめです。