ただ、単純にレンズを向けてシャッターを切るだけでは同じようなアジサイの写真が並ぶばかり。せっかく撮るなら、いつもより少しレベルアップした写真を目指してみてもいいかもしれません。
そこで今回は、アジサイを鮮やかに撮るためのちょっとしたコツをまとめてみました。スマホカメラでの撮影時にも意識できるポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。
アジサイの「花」はどの部分?
撮影のコツの話に入る前に、アジサイにまつわる豆知識をご紹介しましょう。こちらは「ガクアジサイ」というアジサイの一種です。手前の花びらのような形をした部分が花だと思われがちですが、実はこれは花ではないのです。
その後ろにある青い粒のような部分が花で、これを「真花」と言います。花びらのようなものは「装飾花」と呼ばれる部分で、「ガク」が変化したものなのです。
「ほら、このアジサイの花びらの色きれいでしょ」と写真を見せながら語ったはいいけど、間違っていたなんて後で気がつけば結構恥ずかしかったりします。せっかく写真を撮るのですから、アジサイの真花と装飾花の違いを知っておくといいでしょう。
アジサイの一部を被写体にして撮ってみる
真花と装飾花について理解したところで、まずは装飾花を中心に撮影してみましょう。アジサイの中でも目立つ部分なので、撮り方はたくさん見つかりそうです。・真花を狙って撮ってみる
真花の部分を狙って撮ってみるのも面白い方法です。この部分は小さいので近接撮影で行います。カメラにマクロモードが付いているなら、ぜひ使ってみましょう。肉眼では見えにくい箇所も写せます。
・散り跡を撮ってみる
アジサイの真花も旬を過ぎれば散ります。花自体が小さいので気づきにくいのですが、よく見ると下に花びらが散っていることがあります。 桜の散った様子が絵になるように、撮り方によってはアジサイの散り跡もシャッターチャンスかもしれません。
背景をぼかしてメインを際立たせてみる
近年はスマホのカメラも性能が向上し、背景ボケを活かした撮影が簡単にできるようになりました。背景ボケとは、ピントを合わせた被写体の背景をぼかすこと。背景ボケを作ることで被写体の存在感をより際立たせて見せることができます。アジサイを撮るときも、メインを強調した写真に仕上げたい場合はこの背景ボケを活用するとよいでしょう。
・背景ボケを作らずに撮ってみると…… 背景ボケを使わずに撮影した写真がこちらの例。画面全体にピントが合っているため、手前のアジサイは存在感が薄くなっています。 背景ボケを作って撮ることで、雰囲気感のある写真が撮りやすくなるというメリットもあります。アジサイを撮るときは要所要所で背景ボケを活用してみると、メリハリの利いた作品が撮れそうです。