Q. 定年が近いのですが、余力資金で投資するならどんな投資がいい?
「現在57歳、預貯金は5000万円ほど。60歳で退職予定です。定年後の老後資金の中で、すぐには使わない額を投資するとしたら、どんな投資がいいでしょうか? それとも定年前の投資は避けた方がいい?」(匿名希望さん/会社員)A. 「利回りが4%以上ある企業に、分散投資するのがいいと思いますね」(桐谷さん)
1つの銘柄に集中的に投資することは、大儲けする可能性もありますが、大損するリスクもあります。ですので、配当と優待を合わせて利回りが4%以上ある企業に、分散投資するのが良いのではないでしょうか。配当だけの場合でも、利回りが4%以上ある銘柄は、多少の下落があっても長期的には上昇することが多いので、投資先に入れてもいいと思います。例えばですが、1000万円あれば100社くらいに、分散投資ができるのではないでしょうか。5000万円の資金があれば、さらに多くの銘柄に投資ができます。家賃がかからない人であれば、優待株の分散投資だけでも十分生活できるでしょう。
とはいえ、株はいつ買ってもよいものではなく、やはり安いときに買うのが基本です。ですので私も、いつでも安い株があれば買えるように、利息はあまり付きませんが、ある程度現金も持っています。そして、年初来安値をつけた銘柄や、株価は下がっているけれど良い優待を提供している銘柄などがあれば、コツコツと買い増ししています。
まずはネット証券に口座を開いて、時間があるときに安値をつけた銘柄をチェックし、優待内容であったり、理論株価(※)を参考にしながら、割安な株があったりしたら、1つずつ拾っていくとよいでしょう。
そうすれば、60歳になる頃には、口座に置いている預金が良い優待株に移し替えられているのではないかと思います。老後は年金にプラスして、優待や配当を受け取ることができると、より豊かな暮らしができるのではないでしょうか。
とはいえ、ときには保有している銘柄の株価が下がれば、我慢が必要な場合もあります。一方で、株価が上がれば利益確定して、そのお金でまた安い優待株を買うこともできますので。このように、買い方を誤らなければ、資産は雪だるま式に増えていくでしょう。
※理論株価とは、適正な株価を判断するための基準になる価格。収益や配当、キャッシュフローなどをもとに計算される。理論価格と市場価格を比較し、割安、割高などの投資判断に用いられる。
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教えてくれたのは……桐谷広人さん
1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。