コンビニの文具に新しい便利と遊び心を
コンビニエンスウェア「ハサミ」1本748円。色は白のみ。コクヨのハサミ「サクサ」をベースに把手の角が落とされていたり、こっそりとテーマカラーのブルーに塗られた部分があったりするなど、オリジナルな仕様になっている
「まずは、ファミリーマートの“コンビニ”としての需要があります。インクが切れた、シャープペンの芯がなくなった、といった緊急時の需要ですね。その実績のある商品群と、コクヨさんが持っている“何が市場として売れているか”という膨大なデータが合わさると、チャレンジするかいのあるマーケットを作ることができるのではないかと考えました」とファミリーマートの永松さん。 コンビニなので当然、棚のスペースは限られています。ただ、コンビニとしてどうしてもそろえておく必要のある文房具というのもあります。例えば、ハサミやカッターナイフ、のり、ノートなどは外せません。
そして、従来のコンビニには置かれていなかったけれど、今回、新しくラインアップに入れた文具もあります。
「ハサミを買いに来られたお客様には、普通のハサミとスライド式の携帯用ハサミの2種類を用意しています。このスライド式ハサミも、文具好きには見慣れたアイテムですが、コンビニのお客様にはすごく斬新なアイテムに映るんです。実際、『買ってみたら便利だった』という声をたくさん聞いていて、いい提案だったなと思います」とファミリーマートの永松さん。
コクヨの従来品をベースにしながら、ファミマでしか買えない新しさをプラス
今回の製品は、基本的にはコクヨの従来品がベースになっています。ところが、よく見ると少しデザインなどに変更が加えられています。例えば、ホッチキスやスライド式ハサミなども、エッジの部分に少し面取りのような具合で角度が付けてあります。
コンビニエンスウェア「シャープペンシル(白)」(198円)。コクヨの「鉛筆シャープ」をデザインのベースに、ノックボタンにブルーが入っている。この鉛筆のような六角形が、全体のデザインの共通項になっている
「イメージを落合さんから伺って、それを元にコクヨでたたき台を作りながら、キャッチボールをして合わせていくような感じでした。週に1回以上、およそ10カ月間、コクヨのオフィスに落合さんがいらして、こんな風にしたい、あんな風にしたいとお話しされるのを聞いて、コクヨで試作品を作るという感じでしたね」とコクヨの矢野さん。
打ち合わせの次週には試作品ができ上がっている、そのスピード感に落合さんも永松さんもビックリしたそうです。
「今回は、最初から“かなりの量を作る製品”として開発する必要がありましたし、細かいデザインが要求されるので、コクヨとしても全く新しい取り組みとして、体制も新しくしました。弊社は、モノによって開発担当者も異なるため、さまざまな担当者を横断して開発するというのは本当に新しいチャレンジでした」と矢野さん。
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