大事な仕事の前にやっておきたいこと
人間には個人差がありますし、頭の回転を早くするためにもトレーニングが必要です。だから、少年マンガの主人公のように、ごく短期間で、頭の回転が早い人間に「生まれ変わる」のは無理でしょう。
とはいえ、同じ人間でも、「頭の回転が早い」ときと、「なんかボヤーっとする」ときがあります。大事な仕事が控えていて、なるべく頭の回転を早めたいときには、どんな準備をすると効果があるのでしょうか?
全体像と目標をはっきりさせる
第一の準備は、その仕事の「全体像と目標」をはっきりさせることです。全体像がはっきりしない仕事は、「何のためにやるのか?」が分からないので、うだうだ悩む時間が増えがちです。
また、目標があやふやな仕事は「的のない的あて」みたいなもので、「どう頑張ればよいか」がはっきりせず宙ぶらりんになりやすいです。「何をすればよいか分からないから、つい気がそれてスマホを開いちゃう」みたいなことにもなりやすいので要注意です。
筆者の場合は、大事な仕事の前には、その仕事が自分の人生や仕事仲間、顧客の人生にどんな影響を与えるかや、今日1日で何を終わらせるか決めてから仕事するようにしています。
「自分がこれからやる仕事は、大局的に見てどういう意味があるのか?」
「ゴールを達成するために、まずは何に取り組む必要があるのか?」
という2点をはっきりさせるだけでも、どこにエネルギーを注ぐべきかがはっきりします。ゴールがはっきりしたら、あとはその方向へ向かって走るだけですから、集中しやすくなるでしょう。
軽めの運動をする
すこしペースの早い散歩など、軽めの運動は集中力を高める効果があります。小学生や中学生は休み時間にグラウンドへ出かけて「鬼ごっこ」や「ドッヂボール」をしますが、これらは学習効果を高めるうえでも有効なようです。軽めの運動はストレス発散の効果があり、良い気分で仕事を始められます。筆者も仕事前のウォーキングによる“ウォームアップ効果”を実感し、「これは良い」と取り入れるようにしました。
かれこれ、もう5年以上、大事な仕事の前には運動するようにしています。
まとめ
投資の神様バフェットと、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、かつて「成功の秘訣は何か?」と尋ねられたときに、ともに「集中(フォーカス)」と答えました。大事な仕事が控えているときには、全体像や目標をはっきりさせ、軽めの運動をして、がっつり集中するための環境を整えてみてはいかがでしょうか。
参考
- 『フロー体験 喜びの現象学』M. チクセントミハイ著
- Blasche, G., Szabo, B., Wagner‐Menghin, M., Ekmekcioglu, C., & Gollner, E. (2018). Comparison of rest‐break interventions during a mentally demanding task. Stress and Health, 34(5), 629–638.