夫の発言や物事の捉え方に違和感を感じているのだが‥‥
強権発動するわけではないけれど
独身時代は、おっとりしてどこか浮世離れした感のある彼がおもしろかったと、マミさん(38歳)は言う。だが結婚して6年、その印象は「家族と向き合わない人」に変わった。「共働きだし、それぞれの世界を大事にしながら、ふたりの生活も楽しむ。そんなことを話して結婚したんです。でも結婚してみたら、彼には『一緒に家庭を作っていく』気持ちが抜けていると気づきました」
家事をやらないわけではないのだが、たとえば夫がマミさんの留守中に掃除をしたとしても、それを伝えてくれないのだという。洗濯や料理は見た目でわかるが、掃除機をかけたかどうか、トイレ掃除をしたかどうかは一見しただけではわかりづらいこともある。
夫との会話に感じる違和感の正体
「お互いに義務感を覚えるのは嫌なので、当番制にはしていないんです。だから夫が掃除機をかけたあと、私がまたかけてしまうこともあって……。言ってよと伝えてあるんですが、伝えてくれない。たいしたことじゃないけど、なんだかモヤッとすることが多々ありました」それは会話をしているときも、ときどき感じていた。結婚当初、この先、妊娠することも考えてマミさんは歯の治療を続けていたのだが、彼女が歯のことを話すたび、夫は自分の歯の話や、審美治療をしてかえって健康を損ねた人の話を始める。どうしていちいち、歯の治療をディスるようなことを言うのかと聞くと、夫は目を丸くしている。まったくそういう意図はないらしい。
「つまり、“歯”というイメージから自分が思いつくことを話すだけなんですよ。私の歯の治療に興味があるわけでもないし、話を発展させようと考えているわけでもない。頭に浮かんだ歯にまつわる別の話をしているだけ。一見、会話が成立しているように見えるけど、実はまったく成立していないパターンですね」
それは子どもが産まれてから、より強く感じるようになった夫への違和感だ。
>息子に対しても、軽率な発言をする