Q. 個人向け国債・変動10を持ち続けるべきか迷っています。国債を手放した方がいいのは、どういう場合でしょうか?
「個人向け国債・変動10で利払いがされましたが、そのまま10年間持っていてもいいのでしょうか? 個人向け国債を手放した方がいいのは、どういう場合でしょうか。また、最近物価の上昇がすごいと感じております。個人向け国債だけでインフレを乗り切れるでしょうか」(OYUKIさん/会社員/40代)個人向け国債・変動10を手放した方がいいのは、どんな場合?
A. 「国債を売ることを考えるのは、金利がピークアウトしたときです」(深野さん)
個人向け国債・変動10は変動金利ですので、基本的には再投資などをしない限り、複利的にお金は増えません。昔は、債券から支払われる利子だけを運用する“利金ファンド”という商品があり、債券の満期に⼀括して受け取り、複利運用ができました。残念ながら、今はほとんどなくなってしまったのですが。そして、個人向け国債を売るタイミングですが、ポイントは金利がピークアウトしたときです。それ以降は金利が下がってしまうので、基本的に金利が上昇してるピークのところで売却し、固定金利のものに乗り替えてください。
個人向け国債の固定金利だと満期5年の商品が最長ですが、『新窓販国債』という商品であれば10年固定があります。10年間固定で高い金利が続き、満期まで放っておいても大丈夫ですので、それが一番いいと思います。
次に、個人向け国債だけで物価上昇に備えられるかどうかですが……それはやはり、難しいでしょう。ですので、物価上昇に負けずに購買力を低下させないのであれば、個人向け国債に投資を絡めて運用するのがよいと思います。
昨今の物価上昇率を見てみると、昨年1年間で消費者物価指数が3.1%上がりました。物価の上昇率に対し、個人向け国債の金利は0.6%前後です。そう考えると、やはり3%ぐらい運用益を確保しないと物価高を乗り切れないということになります。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など