Q:1958年6月生まれ男性。今まで特別支給の老齢厚生年金はもらっていません。今さらもらえないのでしょうか?
「特別支給の老齢厚生年金についての質問です。1958年6月生まれの男です。現在、65歳で定年後に再雇用され就業中です。現在、給与は月50万円です。今まで特別支給の老齢厚生年金はもらっていません。既に65歳を過ぎたため、今さらもらえないのでしょうか? または、年収的にもらえないのでしょうか? よろしくお願い致します」(EN-TERUさん)特別支給の老齢厚生年金はもらえないの?
A:65歳を過ぎてもさかのぼって特別支給の老齢厚生年金が支給される可能性はあります。ただし在職老齢年金で支給停止になっていた場合はもらえません
老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、原則65歳から受給できますが、一定の要件を満たした人は65歳になる前に、特別支給の老齢厚生年金を受給できます。ただし、60歳以降、厚生年金に加入して給与収入を得ると、老齢厚生年金や特別支給の老齢厚生年金の月額と、給与収入など(総報酬月額相当額)の合計が、ひと月あたり50万円(支給停止調整額)を超える場合には、老齢厚生年金や特別支給の老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になります(在職老齢年金制度)。
相談者「EN-TERU」さんは1958(昭和33)年6月生まれで会社員として働いている65歳男性とのこと。63歳から特別支給の老齢厚生年金が支給される年代です。特別支給の老齢厚生年金をもらえていないということですが、「EN-TERU」さんは65歳で既に老齢基礎年金と老齢厚生年金を請求して受給している場合、特別支給の老齢厚生年金についても、老齢基礎年金と老齢厚生年金の請求時に一括で受給できているはずです。もしもらえていないのであれば、在職老齢年金制度で特別支給の老齢厚生年金が支給停止になっていた可能性があります。
もし老齢基礎年金と老齢厚生年金を請求していない場合は今から(令和6年6月時点)年金請求すると、63歳から65歳まで支給される特別支給の老齢厚生年金を請求することができます。年金には5年の時効があり請求以前5年間であればさかのぼって年金を受給できます。老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰り下げしても、請求以前5年間であれば、特別支給の老齢厚生年金は受け取ることができます。
ただし在職老齢年金で支給停止になった特別支給の老齢厚生年金は65歳以降も支払われることはありません。
「EN-TERU」さんが63歳から65歳まで厚生年金に加入して在職していて、もし今と同じ月収50万円の場合は、令和4年3月分までは60代前半の在職老齢年金の支給停止調整額は今より低い28万円でしたので、特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止になっていた可能性はあります。その後、令和4年4月から在職老齢年金の支給停止調整額が47万円(令和6年度は50万円)、令和5年4月から令和6年3月までの支給停止調整額は48万円に上がっていますので、特別支給の老齢厚生年金を受給できる可能性はあります。
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