Q. 60歳から年収が3割減となりますが、毎年50万円ほど使って海外旅行を楽しむことはできますか?
「年金額は、ねんきん定期便によると、年間150万円くらいです。定年は延長され65歳まで働けるし、その後もいくらでも採用はしてもらえると思います。しかし給料は55歳で昇給はなくなり、60歳からは7割になります。公務員ですが採用は4年前ですので、退職金はあまり期待できません。このような状況ですが、海外旅行に年50万円ほど使っても大丈夫でしょうか? 円安で海外旅行代は高いですが、10年以上海外に行っておらず、できればこれから毎年行きたいです」(ひまわりさん/女性/53歳/公務員/一人暮らし)<世帯年収>ご本人:年収700万円
<金融資産>現金預金:1600万円/リスク資産:700万円
60歳以降収入が減っても、毎年海外旅行したいという50代女性
A. 「年間50万円であれば問題ないでしょう。元気なうちに旅行を楽しんでください」(深野さん)
詳しい家計収支や退職金額、老後の生活費など、現時点で不明点が多いので、あくまでもいただいているデータの範囲で推測して、お答えさせていただきます。55歳で昇給がなくなるということですが、残り2年間で仮に昇給がなかったとしても、60歳からは、現在の年収の7掛けで年収490万円となります。60代の平均年収に比べると、結構高い水準です。
現在の収支がわかりませんが、年収700万円ぐらいであれば、多分年間の貯蓄は100万~150万円ぐらいになるのではないでしょうか。仮に、年間100万円貯蓄していたとすれば、年間50万円を旅行に使ったとしても、残り50万円は貯金できます。
60歳で収入が3割減ったとしても、年間50万円の貯金ペースを崩さなければ、65歳までの12年間で600万円上乗せすることができます。そうすると、65歳のときの金融資産額は今ある2300万円に600万円を足して、2900万円になります。
さらに退職金がいくらかあるとすれば、65歳時点で老後資金2000万円はクリアしていることになります。金融資産を取り崩さないのであれば、毎年50万円を海外旅行に使っても問題はないと思いますよ。むしろ元気なうちに、海外へ行っておいた方がよいのではないでしょうか。
【動画】深野先生の他の相談もご視聴いただけます!ぜひ併せてご覧ください。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など