Q. 旧NISAで保有している株を持ち続けようか、利益が出ているうちに売却しようか迷っています
「旧NISAの対応について、利用している証券会社の担当者は、今後成長が望めるので保持を勧めるのですが、現在プラスの状態なので売却した方がよいか悩んでいます。非課税期間が終了するごとに解約して特定口座に移行すべきか。それとも、現時点のプラスの状態で一括で売却すべきか。大いに悩んでいます」(かこかこさん/65歳/正社員)<金融資産>現預金:1億円/リスク資産:1億円
旧NISAで保有している株を持ち続ける? それとも売却する?
A. 「半分売って、半分保持する。または一括売却するのもありだと思います」(深野さん)
証券会社の担当者の助言とご本人の考えの折衷案を取るのであれば、“半分売って半分保持する”でしょうか。一方で、手間がかかるのは避けたいと考えるのであれば、プラスの状態で一括売却もありだと思います。もし、保有している株がまだ上がると思うのなら、一度売ってしまって、その売ったお金で新NISAで買い直してもよいと思います。
また、非課税期間が終了するごとに特定口座に移行した場合でも、その時点での時価で移行されます。仮に、旧NISAで100万円で買った株が150万円になっていたとすると、150万円が特定口座に移行されます。
旧NISAから特定口座に移行すると、運用益に対して税金が引かれてしまうのではないかと思われがちですが、税制上で税金がかかるのは、特定口座に移行してから出た利益に対してです。ですので上記の例の場合、旧NISAで得た運用益50万円に対して税金はかかりません。
以上のような点を踏まえた上で折衷案を取るか、それとも一度線を引いて一括売却するか、再度検討してみてください。あとは、十分な金融資産をお持ちですので、もう少しお金を使って楽しむことも、考えてもらえたらなと思います。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など