Q. 手持ちの現金を半分くらい運用に回したいと考えています。資産配分に問題はないでしょうか?
「現在の総資産の内訳は、リスク資産が9000万円、現金が4300万円、保険が3400万円というものです。現金が多すぎると思うため、半分くらいを運用に回したいと考えています。現在の配分と配分変更についてのお考えを教えていただきたいです。なお妻が現金主義であるため、保険の満期のタイミングなどで少しずつリスク資産を増やしていますが、現金を4300万円も遊ばせていることの無駄さをなかなかうまく説明できません」(みっちーさん/男性/57歳/自由業)<世帯収入>本人:年収50万円/妻:年収800万円
理想的な貯金と投資の割合とは
A. 「ご年齢から考えると、今の資産配分でも十分ではないかと思います」(深野さん)
保険の3400万円が、リスク資産に入っているのかがわかりませんが、仮にそうだとして今の資産の割合を見てみましょう。保有されている金融資産の3分の1が現預金、3分の2がリスク資産になります。現預金の金利が低いので、口座に置いて遊ばせておくのは無駄に思うかもしれません。しかし、コロナショックからの4年間、株価の大きな調整がなかったこともあり、投資にはリスクがあり、その怖さを少し忘れているような気もします。
例えばですが、株価の調整があって、リスク資産が2割減ってしまったとすると、9000万円が一気に7200万円になってしまいます。資産が減った場合でも、現金4300万円が遊んでしまっていると思うか、現金を手元に残しておけばよかったと思うか。一度、考えてみてください。
また、今は奥様の年収が800万円ありますが、もし0円になった場合などは、やはり現預金で生活を回していくことになります。こういったケースも踏まえた上で、私としては今以上のリスクを取ることは、あまりおすすめできません。
やはり、ご年齢的にも資産割合は現預金とリスク資産を半々ずつくらいにしたいところです。あるいはせめて、6:4(現預金:リスク資産)くらい。もう少し現預金を増やしてもよいかなと思います。
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など