Q. 定年後に備えて債券運用を考えています。現預金のいくらを運用に回すとよいでしょうか
「今年62歳になる夫が、65歳で定年です。定年後は年金生活になると思います。個人向け国債にシフトして買い付け時期をずらし、月にいくらかの利子を振り込みしてもらう形で資産形成をしたいのですが、どのくらい個人向け国債を購入すればよろしいでしょうか?」(こぶたさん/女性/55歳)<金融資産> 現金資産8000万円/リスク資産0円
個人向け国債の購入を検討している50代女性。現預金のうち、いくらを運用に回せばいい?
A. 「一括購入しなければ、資産の最大半分を目安に運用を考えてみては」(深野さん)
個人向け国債の2024年4月に募集されているものだと、変動金利型10年満期の「変動10年」の金利が年0.5%、固定金利型5年満期の「固定5年」が年0.36%、「固定3年」が年0.18%でした。ただし、個人向け国債の金利は、まだ低いと言わざるを得ません。少し前にソフトバンクグループが募集していた社債は、7年間で年3%超えとあって、あっという間に完売になりました。少しリスクを取ってでも、利息収入を期待したいというのであれば、個人向け国債以外に社債を混ぜて購入することを検討してもよいかもしれません。
そして、購入する金額についてですが、国債や社債は原則として元本保証されていますので、一括購入ではなく、時期をずらして買っていくのであれば、保有されている金融資産の最大半分くらいを運用に回してもよいと思います。
例えば、4000万円を年0.5%で10年預けたとすると年20万円、税引後で年16万円くらいの利息を10年間受け取れます。月額でいうと1万5000円弱ですね。定年後、どれくらい現預金を取り崩していく必要があるのかと併せて、運用額を検討してみてください。
※記載している金利は、記事作成時点における税引前の数値になります
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教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など