日経平均はやや方向感を失う展開に
NISAの成長投資枠で譲渡益の最大化を狙うならば、どこを狙う?
売買代金が減少傾向にあるということは、株を売買している人が減少していることと同じです。つまり参加者が減少しているのです。「1月からひたすら上がっていたので、機関投資家が『売り』『買う』『休む』の『休む』に入った」「4月下旬から5月中旬にかけての3月決算企業の決算内容を見たいので売買を手控えている」などさまざまな声が市場では聞かれます。
売買代金減少はラマダンが関係?
これらの意見は大体その通りな気はしますが、私はもう一つ「ラマダン」も関係していると思っています。ラマダンは、皆さんご存じの通りイスラム教の1カ月ほどある断食のことです。例年3月中旬から4月中旬のラマダン時期は、海外投資家の売買が減少する傾向にあります。そうです。「オイルマネー」がラマダン時期は入りにくくなっていると考えます。そのラマダンは4月10日頃終了し、2~3日の休暇を経て「ラマダン明け」となりますので、来週4月14日以降、東京株式市場の売買代金も4兆~5兆円台に戻るのではないかと思っています。
仮に売買代金が引き続き低迷という状況でしたら、4月下旬から5月中旬にかけての3月決算企業の決算発表まで様子見姿勢が続くかもしれません。そういった意味で「ラマダン明け」の4月14日週は注目しています。
NISAの成長投資枠はやはりグロース市場か?
さて、前回の記事にて、NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)の仕組みや、「成長投資枠」「つみたて投資枠」の基本的なお話をしましたが、ここでは「成長投資枠」「つみたて投資枠」を利用して「どのような銘柄を狙っていくか」についても触れたいと思います。4月14日以降、プライム市場の売買代金が再び増加するかもしれないから、「ここは『成長投資枠』を使ってプライム市場の企業に投資しよう……」ということではありません。プライム市場には時価総額が大きい大企業が多く、配当利回りも高めといったケースが多いですので、どちらかというと「つみたて投資枠」向きな気がします。
やはり譲渡益の最大化を最優先に考える「成長投資枠」は、今後大きく成長する可能性を秘めているグロース市場に上場する中小型株が対象となるでしょう。
時価総額が大きい「東証グロース市場Core指数を構成する20銘柄」に注目
グロース市場に上場する中小型株といっても数多存在しますが、「成長投資枠」を利用するとしたらどのような企業を選べばよいのでしょうか。グロース市場のなかでも、「東証グロース市場Core指数」(※東証グロース市場の銘柄群で構成される株価平均方式の株価指数)に採用されている時価総額が大きい20銘柄に注目します。例えば、2024年4月10日時点ですと、以下のような企業があります。
- ispace<9348>……宇宙事業を手掛ける
- サンウェルズ<9229>……パーキンソン病専門の老人ホームなどの介護事業を手掛ける
- フリー<4478>……個人事業主や中小企業向け会計システムを手掛ける
- GENDA<9166>……アミューズメント施設を手掛けM&Aに積極的
このように個性溢れる企業が多く存在しています。
もちろん今回ご紹介した企業はほんの一例です。投資は十人十色ですので、興味があるビジネスを手掛けている企業を見つけて投資するのもいいと思います。「長く保有し値上がり利益(譲渡益)の最大化を図る」といった基本的な考えだけ押さえておけば「成長投資枠」はよろしいかと考えます。
ただ、NISAも当然ながら投資ですので自己責任という原則が根底にあります。仮に投資していた企業が破綻した場合、整理の仕方(民事再生法、会社更生法など)にもよりますが、株価はほぼゼロ円となるケースがほとんどですので、その辺だけご注意ください。投資資金の属性をきちんと理解して「最悪、ゼロになっても大丈夫」という気持ちで投資は行ってください。