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持ち株がストップ安!どうすればいい?

持ち株がストップ安になると大きく損をします。ストップ安が何日も続いて、株価が数日で半分に減ることもあります。無理に損を取り戻そうとすると、さらに損が増えてしまうリスクがあります。傷を広げないためには、何より冷静さを失わないことが大切です。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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持ち株がストップ安になったらどうする?

持ち株がストップ安になったらどうする?

この記事では、持ち株がストップ安になったときに、なるべく損を膨らませないために注意すべきポイントをご紹介します。

ストップ安とは?

日本株には「値幅制限」というものがあり、1日の株価には上限と下限があります。このうち、これ以上は上がらない上限の株価まで株価が上がることをストップ高と言い、逆に、これ以上は下がらない下限の株価まで株価が下がることをストップ安と言います。

たとえば、「持ち株がストップ安になる」というのは、自分が持っている株が下限いっぱいまで値下がりして、短期間で大きく損していることを指します。

ストップ安になっても、無理に損を取り戻そうとしない

先述したとおり、持ち株がストップ安になると大きく損をします。ひどい場合は、ストップ安が何日も続いて、株価が数日で半分に減ってしまうことさえあります。

これだけ大きく損をすると精神的なプレッシャーも大きいです。無理に損を取り戻そうとすると、さらに損が増えてしまうリスクがあります。傷を広げないためには、何より冷静さを失わないことが大切です。

持ち株がストップ安!株価はどう動く?

持ち株がストップ安になったとき、それから株価はどう動くのでしょうか?

中原の経験から言えることとしては、「ストップ安になった株が、そのあとさらに下がるか、それとも反発するかは、そのときの状況によって千差万別だ」ということです。

つまり、「ストップ安になったら、こうすればいい!」という特効薬はありません。ストップ安になってしまった原因を手探りで調べて、自分で正解を手繰り寄せるしかないのです。

とはいえ、投資初心者だと「何を、どう考えればいいか分からない!」という方もいるでしょう。そこで以降では、持ち株がストップ安になったとき、僕が考えるであろうことをステップバイステップでまとめていきます。

持ち株がストップ安になったとき、中原はまず原因を考えます。

筆者の経験上、ストップ安になる原因はだいたい3つのカテゴリに分類できます。

1つ目は「バブルの崩壊」です。すでに割高だった株が、熱狂から冷めて下がり始める現象です。典型的な例が、1990年頃に弾けた日本株バブルや、2000年頃に弾けたインターネット・バブルです。

バブル崩壊によるストップ安は、いわば「合理的な下落」です。もともとも株価が高すぎただけで、下がらなかったほうがおかしかっただけだからです。このような場合は、いちどストップ安になると、しばらく株価の下落が続く恐れがあります。早めに株を売らないと損が膨らむかもしれないので、筆者の場合は早めに売ることを考えます。

2つ目が「企業価値の毀損」です。粉飾決算や品質不正が発覚して企業価値が毀損されたり、業績が急激に悪くなったりして、株価が暴落するケースです。不正の度合いの深刻さにもよりますが、企業価値が毀損されたときに株価が下がるのは合理的な反応です。

ストップ安になったあとの株価が割安なら持ち続けてもよいかもしれません。しかし、多くの場合、いちど信頼を失ったり、業績が崩れたりした会社は、立て直すのが大変です。筆者の場合、回復の道筋が見えてこないうちは売ることを考えます。

3つ目が「一過性の不人気」です。一見、見た目の悪いニュースが出て株が売られたものの、よく考えてみると内容が悪くないパターンです。たとえば、一過性の理由で業績が悪くなった場合などが挙げられます。このようなパターンでは、株価がストップ安になったことで、かえって株価が割安になり、買い増すのが正解となる場合もあります。一時的に株価が下がるのはつらいですが、むしろストップ安は「安く買い増すチャンス」です。この場合、筆者は株を買い増すことを考えます。

ストップ安になったらどうすればいい?

ストップ安の原因に目星がついたら、どんな取引がベストかを考えます。

僕らにできる取引は「売る」か「買う」か「現状維持」かの3つだけです。

このうち、どれがベストな取引かをストップ安の原因に合わせて考え、粛々と対応します。

持ち株がストップ安になると、心の中では「早く損を取り戻さないと!」という焦りの気持ちが湧くこともあります。バブルじみた高値の株を「損を取り戻すために」買い増して、さらに損を膨らませてしまう方もいます。

ながく投資をやっていれば、あなたもいずれストップ安を経験するでしょう。あるいは、いままさに経験しているかもしれません。

冷静に対応すればリスクを減らせるでしょうが、対応を間違えると、1つの損が飛び火して、かえって傷を広げかねません。損を抑えるためには、何よりも冷静さを失わないこと。そして、損を取り戻そうと慌てないことが大切です。

この記事が、あなたが最善の選択を選ぶ手助けになりますように。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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