新技術の集積を440円で入手できる幸せ
これだけのアイデアを投入して、持てば違いが分かるくらいの細くて軽い軸を実現して、しかも、とても繊細なパーツを組み上げて作られているペンが、なんと440円(税込)というのも、ゼブラ製品らしさです。使っているこちらが、もう少し高くてもいいのではないかと思ってしまう価格設定なのですが、「まあ、従来品が385円(税込)ですし」と水鳥さんは言います。このサイドスプリングの構造を実現するために、従来品よりも多少ノックボタンが長くなっていたり、そのために新しくパーツを開発したりと、開発にはかなりの手間がかかっているのですが、水鳥さんも佐野さんも、あまり苦労したという自覚がない話しぶりなのが印象的でした。
「どうも、ゼブラの開発チームは自分たちの苦労を苦労と思ってない感じなんですよ。この製品も開発には4年ほどかかっているのですが」とゼブラ株式会社広報の池田智雄さん。
とはいえ、出来には満足ですか?と聞くと、水鳥さんも佐野さんも「満足です」と笑っていました。 実際に手に取ってみないと、そのすごさが分かりにくい製品ではあるのですが、ゲルインクの多色ボールペンで、これだけ細くて、インクもそれなりに長持ちする製品は、ほとんどないのです。新しい構造のペンなので、サイドスプリングの仕組みが見える透明軸も良いのですが、個人的にはスリムさが映える赤軸が気に入っています。