AlbaLinkか2024年2月に実施した「地震・津波などの災害に備えていることに関する意識調査」では、「地震・津波などの災害に自宅で備えていますか」という問いに対し、「多少備えている」が53.6%、「あまり備えていない」が30.4%、「全く備えていない」が11.6%、そして「十分に備えている」はわずか4.4%という結果だったそうです。
政府は食料や飲料水の備蓄に関して、以前は「3日分の備蓄を」としていましたが、最近は「最低7日分の備蓄が望ましい」と言うことが増えてきました。でも、調査結果から考えると7日分の備蓄をしている家庭は本当に少数かもしれません。
調査結果では「備えていない」理由として、「していた時期もあるのだが、継続するのが難しい。一度用意してもずっと使えるわけではないので、『気づいたころに期限が切れている』のを繰り返して、やらなくなった(20代 女性)」「備えられるだけの収納スペースがなく、経済的余裕もない(30代 男性)」などが挙げられていました。
筆者が講演を行う時も、来場者から同様の状況をよく聞くので、多くの人が同じような理由で備えていないのでしょう。今回は食料品や飲料水など、手間をかけることなく備蓄できる方法についてご紹介します。
「ローリングストック」は難しい
普段食べているものを多めに買っておき、食べたら追加で買うという循環備蓄「ローリングストック」という備蓄方法がここ10年ほどでよく言われるようになりました。それまで備蓄と言えば、カンパンや缶詰など保存期間が長いものがメインで、「気づいたら賞味期限が切れていた」という人が多くいました。そこで生まれたのがローリングストックです。
しかし、ローリングストックの場合、どれが備蓄用に多めに買っておくべき食品で、どれを食べたら同じものを追加購入して……と常に気にかけておかなければならず、在庫管理表をまめにつけていないと把握することが難しいものです。あいまいにやっていると「いざと言うときに足りなくなっていた」という事態にもなりかねません。
巷では頻繁に推奨されていますが、これはかなり手間がかかる備蓄法だと筆者は考えています。
手間がかからない「1年ストック」
筆者はそこで、毎年1回だけ備蓄食料を入れ替える「1年ストック」をおすすめします。実は筆者自身も2023年までは「半年ストック」として半年ごとに入れ替える備蓄方法を推奨していましたが、最近になり1年保存できる食料品の種類もかなり増えてきたので、「1年ストック」に改めました。 備蓄品を入れ替えるタイミング別に1つの箱にまとめて入れておき、時期が来たら入れ替え、開放されたものは食べるようにします。筆者はキッチンにある棚の上部に置いており目立つように入れ替える日を貼っているので、いつも視界に入ってきます。最近では大きなストッカー(コンテナ)も安価で出ているので、そこに備蓄の食料品を入れておき、日頃から家族の視界に入る場所に置いておくのも良いでしょう。
「1年ストック」におすすめの食料品
備蓄の食料品を考えるとき、まずは主食を家族分×1日3回×7日で計算して用意します。パックご飯は比較的賞味期限が長いものが多いのでおすすめです。 こちらはアイリスオーヤマのパックご飯で2024年2月に購入したものですが、賞味期限は2025年の1月になっています。10個入りで991円(税込)でした(必ずしも全てのものが賞味期限が1年弱あるとは限らないので確認が必要です)。アイリスオーヤマにはさらに賞味期限が長い長期保存パックご飯もありますが、値段が高いので1年弱のもので良いかなと筆者は思っています。
また乾燥パスタ類も賞味期限が2年ほどのものが多いので入れておくといいでしょう。備蓄品として乾燥パスタ類を選ぶときは、ゆで時間が短いものがおすすめです。災害時にカセットコンロなどを使うとなると、ガスの使用量も重要になってくるからです。
主食の数が決まったら、それにあわせてレトルトカレーや、パスタソース、おかずとなる缶詰などを必要個数そろえていきます。 無印良品にはさまざまなレトルトカレーがありますが、こちらのシンプルなパッケージのものは4袋入り税込599円で、2024年の2月に購入したものの賞味期限が2025年6月になっています。 また備蓄食となると野菜不足になりがちなので、余裕があればスープなどで野菜が取れるものを入れておくのもいいですよ。こちらは無印良品の「1/3日分の野菜を使った」かぼちゃスープとトマトスープで、1つ350円(税込)となっています。このシリーズは無印良品も長期保存食として出しているもので、2024年の2月に購入したものの賞味期限が2025年の12月となっています。 体調不良となっても栄養を取りやすいゼリードリンクや、水に溶かして飲める経口補水液も入れておくと良いでしょう。
これらをまとめて1つの箱に入れておき、1年に1回入れ替えるだけなので手間はほとんどかかりません。いつ大きな災害が来てもおかしくない日本なので、ぜひ自分や家族を守ることを考えて実行してみてください。
参考:【地震・津波などの災害に備えていることランキング】男女500人アンケート調査|株式会社AlbaLink