今回は、家計費の中の「食費」にスポットをあて、理想の割合とその範囲内に食費を収める工夫をご紹介します。
世帯人数別の食費の平均金額と、適正な目安はどのくらい?
2023年の家計調査によると、総世帯の食費の平均金額は、1カ月あたり6万7078円です。さらに、世帯人数別、年収別の食費の平均金額をみてみましょう。●世帯人数別の食費の平均金額はいくら?
2023年における、世帯人数別の1カ月あたりの食費の平均金額は、それぞれ以下の通りです。
【世帯人数別の食費の平均金額(1カ月)】
・単身世帯:4万2049円
・2人世帯:7万2399円(1人あたり3万6199円)
・3人世帯:8万5557円(1人あたり2万8519円)
・4人世帯:9万712円(1人あたり2万2678円)
・5人世帯:10万1806円(1人あたり2万361円)
・6人以上:11万532円(1人あたり1万8422円)
世帯人数が増えるほどトータルの食費は高くなる傾向がありますが、1人あたりの食費は、世帯人数が多いほど安くなります。
●年収別の食費の平均金額はいくら?
2023年における、年収別の1カ月あたりの食費の平均金額は、それぞれ以下の通りです。
【年収別の食費の平均金額(1カ月)】
・239万円未満:3万9883円(28.9%)
・239万~361万円:5万8553円(29.4%)
・361万~512万円:6万5248円(27.6%)
・512万~753万円:7万6193円(27.3%)
・753万円以上:9万5511円(24.9%)
カッコ内の数値は、エンゲル係数です。エンゲル係数は「食費÷消費支出×100」で求められます。家計費から税金などを除いた生活費を消費支出といいます。消費支出のうち、食費の割合が高いとエンゲル係数が高くなり、割合が低いとエンゲル係数は低くなります。
参照:「家計調査 2023年」
●食費はどのくらいが適正なの?
参考として、全世帯でのエンゲル係数の平均は27.1%となっています。
食費は家族の年齢や世帯構成、好みなどでも変わり、どのくらいが適正な食費の割合か把握しにくいものです。まずは、それぞれのご家庭でエンゲル係数を算出して、食費が多いと感じたら、2~3%ぐらいを節約するなどの目標を立ててみるとよいでしょう。
仮に1カ月の消費支出が20万円で、エンゲル係数を27%だとすれば、食費は5万4000円です。2~3%を節約しようと思えば、1カ月あたり4~6000円少ない4万8000円~5万円が目標額になります。
エンゲル係数でどの程度を目標に考えるかについては、平均よりも少し低めの24~26%ぐらいを目安にしてみるとよいでのではないでしょうか。
食費を節約するための工夫3選
食費を節約するには、以下の3つの工夫が有効です。●食費を節約するための工夫1:予算を決める
1カ月あたりの食費の予算を決め、さらに1週間分の予算も決めましょう。きっちり予算枠を決めておくことで、その範囲内で食費をやり繰りしようという意識が生まれます。優先順位を考えたり、ムダ遣いがなくなったり予算を守るための工夫が習慣化するでしょう。
●食費を節約するための工夫2:自炊を中心に
食費を節約するにはできるだけ自炊を心がけましょう。自炊習慣が身に付けば、継続的に食費を節約することが可能です。ただし、あまり自炊をしない人が急にすべて自炊にしてしまうと、大きな負担になることも考えられます。今までよりも外食の回数を1回減らしてみる、たまにスーパーのお惣菜で済ませるなど、無理のない範囲で取り組みましょう。
●食費を節約するための工夫3:買い物の回数を週に1~2回にする
買い物に行く回数が多ければ多いほどムダな食材を買ってしまいがちになります。食費を節約するためにも、買い物は1週間に1~2回ぐらいに抑えることが大切です。
その際、買い忘れを防止するために、簡単な献立をもとにした「買い物リスト」があると、なお効率的なお買い物ができるでしょう。