「SNSで将来、預金封鎖が起きるのではないかと言われているのを見ましたが、どう思われますか? 対策があったら教えてください」
今回は、この質問にお答えします。
また日本は預金封鎖するのか?
預金封鎖とは国が「銀行預金などの金融資産を引き出せない」ように封鎖することです。「そんな大げさな」と一笑に付す方が大半でしょうが、預金封鎖は割とよくあることです。2001年はアルゼンチン、2002年はウルグアイ、2013年はキプロスで実施されています。
日本でも1946年に預金封鎖がありました。ちょうどその頃、新紙幣の発行もあったので、「2024年もヤバいんじゃないか?」と連想する方も多いようです。
とはいえ、これらの預金封鎖には動機があります。抜き打ちテストのように「はーい。じゃあ今日から預金を封鎖しまーす」ということはなく、だいたい前兆があります。
過去の預金封鎖を振り返ってみると、だいたい動機はワンパターンです。
その動機とは「通貨危機を乗り切るため」です。
たとえば、日本が預金封鎖した1946年は、アメリカに戦争で破れた直後のことでした。当時、日本の財政は苦しく、日本円の価値はみるみる薄れて物価が上がっていました。そこで政府は対策として「新円切替」を行い、その一環として預金が封鎖されたのです。
そのほかの国の預金封鎖も、だいたい政府の財政が傾いたことや、ハイパーインフレーションへの対策として行われています。
裏を返すと、これくらいのことがないと「預金を封鎖する動機がない」と言えるでしょう。
日本はまだ低インフレですし、国債もほとんど日本国民が握っています。財政危機に陥るまでには「まだ遠い」のではないでしょうか。
むしろ、海外に資金を避難させたとして、その避難先で預金封鎖が行われてしまったりしたら、逆効果です。どこに資産を逃しても、逃した先が安全とは限らないからです。
万が一、預金封鎖されたらどうする?
万が一、預金封鎖されてしまうとしたら、どうすればよいでしょうか?主な対策は前もって没収されないように、安全な場所に資産を逃しておくことです。たとえば、預金封鎖のリスクが低い国に在籍する企業で口座開設して、そこに資産の一部を保管しておく方法が考えられます。
それよりも確実な方法は、投資の神様バフェットも言うように「自分自身に投資すること」です。仮に全財産を没収されても、私たちの知識や経験、能力などは誰にも奪われることはありません。
「預金封鎖が起きたらどうしよう?」と心配な方は、「預金封鎖されても大丈夫、だって自分には、これだけの能力があるのだから」と胸を張って言えるようになることが、一番安心できるんじゃないでしょうか。