農林水産省のホームページでは、水を含む非常食を、少なくとも3日分、できれば1週間分くらいを備えておくことが推奨されています。「3食×3~7日分×家族の人数」は、一人暮らしでもかなりの量になり、「食料品やガソリン代などの価格高騰にあわせて、さらに非常食を準備するなのは大変」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、今回は、実際にローリングストックによる食料品の準備をしたエリ子さん(仮名・50歳)のご家庭の例をもとに、参考になりそうなポイントをまとめました。
「母・妹・エリ子さん」の3人家族。全てレトルトだけでは、飽きてしまうかもしれない…
エリ子さん家族は母(75歳)、妹(45歳)、エリ子さん(50歳)の3人家族。エリ子さんは、当初「5年保存できる非常食」だけをそろえることを検討してみましたが、万が一の際、全てレトルトだけでは、飽きてしまうかもしれない…と思ったそうです。
それよりも、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限の古いものを消費しながら、消費した分を新しく買い足して一定量を備える「ローリングストック」という方法で災害時の食料品をストックすることにしました。
というのも、ローリングストックには、以下のメリットを感じたからとのことでした。
●ローリングストックのメリット
・災害時といういつもと異なる状況下でも、いつも通りの食事ができる安心感
・栄養バランスや好み、アレルギーに対応できる
・必ず食べるものなので、災害用として特別な費用や手間がかからない
そこで、エリ子さんは、ローリングストックする食料品を、以下の4つのポイントで選ぶことにしました。
ローリングストックする食料品の選び方4つ
エリ子さんのローリングストックする食料品の選びのポイントは以下の4つです。●ローリングストックする食料品の選びのポイント1:災害時の食事メニューを決める
ローリングストックする食料品は、日ごろ食べているものの延長で考えますが、いろんなものを備えれば、それだけ費用がかさみます。賞味期限のチェックも必要となるので、管理に手間がかからないよう、災害時のメニューは、主食をお米、おかずは、汁物と缶詰にすることにしました。
あらかじめメニューを決めておけば、買いそろえる食材を絞ることができます。ムダに買い揃えることもなく、賞味期限のチェックも楽に済みます。
●ローリングストックする食料品の選びのポイント2:水とお米はバリエーションを変えて備える
【お米】
非常時の炊飯には、お米を洗う水が節約できる無洗米が便利です。場合によって炊飯できないときのために、長期間保存可能なレトルト米(パック入り)もの、パウチ入りのおかゆ、5年常温保存可能なアルファ米などのようにすぐ食べられるものもそろえました。
炭水化物はパンや麺類などをそろえることも考えましたが、種類を広げるとその分、管理の手間、コストもかかるので、とにかく非常時は「お米」に絞ることにしました。味変のため、ふりかけや海苔などもストックに加えています。
【水】
水は飲料水と調理水を含めて1日あたり1人3Lが準備目安です。エリ子さんは3人家族なので「3人×3L×7日分=63L準備する必要があります。こちらは、10Lは調理用、500mLは飲料水用というように用途ごとにサイズを変えて準備しました。
●ローリングストックする食料品の選びのポイント3:タンパク質、ビタミンなどの栄養素を考える
非常時の備えで健康を考えるなら、タンパク質やビタミンなどのバランスを考えることが大切です。そこで、タンパク質は缶詰、ビタミンは乾燥野菜で備えることにしました。缶詰は常温で長期保存ができ、開けるだけで食べられる点も非常時に便利です。サバ缶やツナ缶、鶏缶などバリエーションが豊富です。
乾燥野菜は、常温で長期保存できます。海藻類、きのこ、切り干し大根が一般的ですが、にんじんやさつまいもなどもあります。中には、水で戻さず汁物に入れるだけで食べられるお手軽なものもあります。これらのものは、日常でも使いやすく多めに買っておいてもムダになりません。
●ローリングストックする食料品の選びのポイント4:お菓子は5年保存が効くタイプで
災害時にお菓子も備えておくとリラックスできます。お菓子をローリングストックに加えると、食べ過ぎてしまうかもしれない……。お菓子は極力買わないようにしているため、5年保存できる非常食用で準備することにしました。