食生活・栄養知識

Q. 「おせち料理は体に悪い」って本当ですか?

【管理栄養士が解説】たくさんの縁起物が詰められた「おせち料理」ですが、塩分、糖分が多めで、野菜は少なめという一面もあります。おせち料理で不足しがちな栄養を上手に補うコツを押さえて、健康的に新年をスタートしましょう。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

Q. おせち料理は健康に悪いのでしょうか?

おせち料理は体に悪いのか

伝統的な行事食の「おせち料理」。体にいい? それとも悪い?


お正月に欠かせない「おせち料理」は見た目も華やかな縁起物ですが、栄養学的に見ると少し工夫した方がいい面もあります。わかりやすく解説します。

Q. 「おせち料理は健康に悪いと聞いたのですが、本当ですか? たしかに昔ながらのおせち料理は、どれも味が濃すぎる気がします。注意すべきポイントがあれば教えてください」

 

A. 野菜が少なく、塩分・糖分も多めですが、一品足せば大丈夫です

おせち料理は、お正月らしく縁起のよい食材を詰め合わせたものです。昔はお正月の三が日に火や水を使うことは縁起がよくないとされていたので、前もって3日分の料理を用意しておき、お正月の間は煮炊きをしないことを目的に作られていました。

そのため、おせちは食材が傷みにくいように濃い目の味付けになっています。野菜も少なく、大根とにんじんを使ったなますや、れんこん程度です。なますとれんこんは酢を強く効かせますし、他の料理も塩や砂糖を通常の料理よりも多めに使って濃い味付けにしています。「野菜不足」「食塩過多」「糖分過多」になりやすいという意味では、おせちだけで過ごすのは健康的とはいえなそうです。

もちろん、伝統的な行事食であるおせち料理をやめる必要はありません。上手に一品足せば大丈夫です。おすすめは、縁起物の野菜を使った「煮物」を1品加えること。ひと手間かかりますが、野菜を「飾り切り」にすると、お正月らしく華やかになります。自分で切るのは大変という人は、抜き型を使うのもいいでしょう。食べる楽しみも作る楽しみも、さらに広がると思います。

さらに詳しく知りたい方は、「おせち料理の注意点…野菜不足・塩分糖分過多を上手に補って」をあわせてご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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