食生活・栄養知識

Q. おばあちゃんが好きなお餅を安全に食べられる方法はありませんか?

【管理栄養士が解説】お汁粉やお雑煮が好きな高齢者は多いですが、お餅は誤嚥や窒息事故のリスクが高い、高齢者にとって危険な食品でもあります。介護用のおかゆをアレンジした喉に詰まるリスクの低い「お餅」の作り方と、より食べやすくするレシピをご紹介します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

Q. 高齢者でもお餅を安全に食べる方法やレシピはありませんか?

高齢者のお餅による窒息事故

窒息事故の危険が高いお餅。高齢者でも安全に食べる方法ことは可能?


お餅が好きなおじいちゃん、おばあちゃんは多いですが、お餅による窒息事故は珍しくありません。安全性を高めたお餅の食べ方と注意点について解説します。

Q. 「83歳の祖母がいます。お餅が大好きなのですが、高齢者の窒息事故のニュースなどを聞くと、いつも心配になります。普段は家族と同じ食事を食べていますが、年齢的にお餅はもう我慢してもらった方がいいのでしょうか? 安全に食べてもらえるようなお餅はありませんか?」
 

A. 安全性を高めた介護用のお餅レシピがあります。でも見守りは必須です

高齢者にとっては、お餅や、お餅を使った甘味は、昔を思い出す懐かしい味なのでしょう。しかしおっしゃる通り、お餅の窒息事故は珍しくなく、特に高齢者にとっては危険な食材です。安全性から考えると、そのままお餅を食べてもらうのは控えた方がいいでしょう。誤嚥リスクの少ないお粥をアレンジしたお汁粉などで代用すれば、「お餅が食べたい!」という気持ちも満たせるのではないかと思います。

普段の食事は介護食ではないとのことですが、「もち麩」や介護食の通販サイトの高齢者用のお餅を購入すれば、好みの味付けで食べていただくことができます。それでも心配な場合は、お湯を入れるだけでミキサーでつぶした状態のおかゆができる便利な商品を活用する方法があります。準備するのは市販の介護食用のお粥と、お湯、インスタントのしるこ汁だけです。

作り方も簡単。清潔なボールに粉状のお粥の元を20gほど入れ、お湯を少しずつ100~120cc程度加えながら、泡だて器でよくかき混ぜます。粘り気は出ませんので、粉とお湯をしっかりなじませてください。これを一口大に丸めれば、安全性を高めた「お餅」の完成です。これをインスタントのしるこ汁に入れて、お汁粉にすれば、満足度の高い一杯になります。

他にも、レトルトの「かまなくてよい」餅も市販されています。餅を提供する頻度が少ないのであれば、レトルトの餅にしるこ汁などで味付けする方が手軽かもしれません。

お粥の素で作ったお餅は時間が経っても固くなりにくいので、慌てずゆっくり食べましょう。また、普通のお餅に比べるともちろん安全ですが、他の食品同様、嚥下のレベルに応じて家族が見守るなどの注意はもちろん必要です。どうぞ素敵な家族団らんの時間をお過ごし下さい。

さらに詳しく知りたい方は、「喉に詰まらない餅の作り方・高齢者も安心の介護食餅」をあわせてご覧ください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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