保険外交員からもし間違った説明を受けたら?
Q. 保険外交員や証券外務員の営業が信用できません!
「お金の知識に自信がなく、だまされないかと不安です。先日も、保険外交員に学資保険を勧められ、返戻率105%と聞き、私は『じゃぁ、インフレ率よりも高いから安心ですね?』と質問したところ、『そうなんですよ、お得なんです』と言われましたが、その後よく調べたら年利換算では銀行の定期預金並みの金利だということがわかりました。返戻率自体はそんなものだと納得していますが、間違った説明を受けたことにショックを受けています。最近は投資にも興味を持っており、銀行や証券会社に相談したいと思っていますが、同じような目に遭わないか不安です。いったい誰を信じたらよいのでしょうか?」(40歳・会社員女性)A. 営業担当者の良し悪しを見分け、自分で判断できる力を身につけることが大切
保険や証券の営業の信頼性は人によってさまざまです。業界全体に問題があるというわけではなく、会社でしっかり研修を受けていたとしても、個々の営業担当者の知識や経験、プロ意識、倫理観などにはどうしても濃淡があるからです。これは、保険や証券の営業にかかわらずどの分野においても同じことと言えます。そのうえで、消費者として営業担当者をどう見極め、保険や証券などの金融商品をどう選択していけばいいのかをお伝えします。信頼性の高い営業担当者を見つけるための4つのポイント
以下に、信頼性の高い営業担当者を見つけるためのポイントを挙げてみます。(1)資格の確認
営業担当者は通常、業務に必要な特定の資格を持っているはずです。その業界に関わる複数の資格を持っていたら、さまざま視点から物事を判断する能力があると考えられるでしょう。
(2)提案内容をわかりやすく説明してもらえるか
営業担当者が提案内容をわかりやすく説明してくれるかどうかも大事なポイントです。不明瞭な点や怪しい条件があれば質問し、理解できるまで説明を求めましょう。この質問に誠実に対応してくれるかどうかも重要です。
(3)比較検討する
消費者自身が、複数の営業担当者や会社からの提案を比較検討し、最適なプランを見つけることも大切です。その過程で、営業担当者の質の違いが見えてくるようになるでしょう。
(4)他の専門家の意見を聞く
信頼できる専門家やアドバイザーに相談してみることも有益です。他の専門家の提案やアドバイスを評価し、意見を聞くことで、客観的な視点を得ることができます。
以上のポイントを考慮することで、信頼性の高い営業担当者や会社を見つけやすくなります。
しかし、それでも一度不信感を持ってしまうとなかなか他人を信用できなくなります。そこで大切なことは、自分自身の判断を信用できるように金融リテラシー(金融や経済に関する知識や判断力)を身につけることです。
質問者様のように、「いったい誰を信じたらよいのでしょうか?」と「誰か」を信用して物事を判断するのではなく、「自分」を信用して判断できるようになることが大事です。
特に投資の世界は原則、自己責任です。保険のように契約時に返戻率が決まっているわけではありません。保険でも金融商品でもお金を払うのは自分であり、損をするのも得をするのも自分です。自分に主導権があるので、自分で判断できるように知識を身につけることが自分を守るために一番大切なことと言えます。
自分で判断できるようになるための5つのポイント
自分で判断できるようになるために、以下のアプローチを考えてみましょう。(1)基本的な知識の獲得
保険や証券に関する基本的な知識を身につけましょう。商品やサービスの種類、一般的な契約条件、リスクなどについて理解することで、営業担当者の説明や提案をより理解しやすくなります。より深い知識を身につけたい場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格取得がおすすめです。FP資格を取得する過程で人生に関わるお金の知識を網羅的に学ぶことができ、「点ではなく面」でお金と向き合えるようになります。
(2)自分のニーズを明確にする
どのような保険や投資が自分にとって重要なのか、自分のニーズを明確にしましょう。さまざまな提案を受けることがあっても、将来の目標やリスクに対する考えを整理できていれば、営業担当者の提案と自分のニーズを比較しやすくなります。
(3)第三者の意見を聞き比較検討したうえで自分で決める
信頼性の高い営業担当者を見つけるためのポイントでも触れましたが、比較検討したうえで自分で決める姿勢がとても大事です。家族や友人の経験やアドバイスは有益な情報になることもありますが、そうでないこともあります。特に金融の世界は変化が激しいものです。不安な場合は信頼できる専門家に相談しながらも、最終的には自分で判断しましょう。
(4)契約書や提案書を注意深く読む
提案された契約書や提案書を注意深く読み、内容を十分に理解しましょう。契約条件や料金、特典、制約事項などについて営業担当者に質問することで、納得いくまで理解できるようになります。
(5)急がないで検討する
営業担当者からのプレッシャーや急な契約締結の勧誘に惑わされないようにしましょう。検討に時間をかけ、冷静に判断することが重要です。
これらのアプローチを組み合わせることで、保険外交員や証券外務員の営業に冷静に対処できるようになります。自分のニーズや希望に合った選択をするために、情報をしっかりと把握し知識を身につけ自分で判断できるようになりましょう。
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