家計簿・家計管理

「節約もう限界」SNSにあふれる悲痛な声、対処法は?

インフレが続く中、SNSでは「節約もう限界」という悲痛な声が多く聞かれます。消費者物価指数の上昇率が日本銀行の掲げる物価目標2.0%を20カ月連続で上回る状況(2023年12月22日現在、生鮮食品を除く)で、対処法はあるのでしょうか。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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節約に苦しむ女性

SNSにあふれる「節約もう限界」の声

「子供に冷凍ブロッコリーをあげざるを得ない」「節約のために一日一食に切り替えた」「寒いけど我慢」――。

インフレが続く中、SNSでは「節約もう限界」という悲痛な声が多く聞かれます。消費者物価指数の上昇率が日本銀行の掲げる物価目標2.0%を20カ月連続で上回る状況(*)で、給料も思うように増えない中、対処法はあるのでしょうか。この厳しい時期を乗り切るための方法を考察します。

*2023年12月22日現在、生鮮食品を除く。

「節約」だけで家計を安定させる時代はもう終わった

デフレが長く続いたこともあり、多くの人が携帯料金・保険・住宅ローン金利・光熱費の基本料金、食費、日用品などの無駄を省き、家計をなんとかプラスにしている状態でした。

しかし近年、インフレなのに給料が上がらない状況が続き、「節約はもう限界」という状態です。節約だけでなんとかなった時代は終わったと言えます。これまでのお金の考え方を改める必要があります。

家計は「稼ぐ・減らす・貯める・増やす」の4つが大切です。家計を1台の車に例えると、「稼ぐ・減らす・貯める・増やす」はそれぞれがタイヤになり、この4つのタイヤが同時に稼働することが大切になります。それぞれ確認していきましょう。

稼ぐ~収入を増やす努力をしよう

■交渉や再評価:仕事や契約において、給与交渉や報酬の再評価を検討してもらいましょう。実績やスキルの向上をアピールし、適切なタイミングで交渉を行うことで、給与の向上が期待できるかもしれません。

■副業の検討:追加の収入源を見つけるために、副業を検討することも1つの手段です。オンラインでの仕事や自宅でできる仕事、または趣味を活かした収入の機会を探してみましょう。

■教育とスキルの向上:スキルや資格を向上させることで、現職での昇給や新しい仕事の機会が広がるかもしれません。教育やトレーニングを受けることで、自身の市場価値が向上する可能性があります。

減らす~節税を意識する

■節税:iDeCoやふるさと納税など、節税効果の高いものは積極的に家計に取り入れるようにしましょう。

■物価の変動に備える:物価上昇に備えて日常の買い物を計画的に行い、セールや割引イベントを活用することで、節約できます。例えば、1月・4月・9月などは値上げが行われやすいタイミングです。また、夏の台風や猛暑等で秋には野菜が高くなりがちです。このような値上げの時期の前に先回りして買っておくことで節約できますね。

貯める~貯蓄額を増やす努力をしよう

■先取貯蓄の徹底:給料が入ったらまず貯蓄をして、残ったお金で生活をする先取貯蓄を徹底しましょう。生活用口座にお金を置いているとつい使いがちですが、定期などの違う口座に先取貯蓄することで、無駄遣いするリスクを避け確実に貯まる仕組みを作ることができます。

■毎月の貯蓄の増額:貯蓄のポイントは少し多めに金額設定をすることです。無駄遣いを減らすためにも、生活用口座にはあまりゆとりを持たせないようにします。毎月2万円貯蓄できるならあえて3万円にトライしてみましょう。難しければ2万円に戻せばいいだけです。

増やす~インフレには投資で防衛する

■投資の検討:インフレが起きるとお金の価値が下がるため、インフレに強い資産を保有することを検討しましょう。一般的に、株や投資信託などの有価証券、金や不動産などの現物資産はインフレに強いとされています。2024年1月からは新NISAもスタートしたため、この機会に投資について学んでみましょう。

それでも生活が苦しい場合には……

■社会的なサポートを受ける:国や自治体が提供する社会的なサポートや福祉プログラムを、適切に利用することも検討してください。

◆  ◆  ◆

ここまで述べたアプローチを組み合わせれば、給料が増えない状況にも柔軟に対応できます。個々の状況に合わせて工夫し、将来に備えた賢い経済的な判断を行いましょう。

最後になりますが、どんな状況でも笑顔で暮らすためにも「人と比べない」ことが大切です。他人と比較して優劣をつけてもむなしいだけです。「何のために家計やお金と向き合うのか? 自分と家族の未来をどうしていきたいのか?」を明確にして行動に移すことで、家計は安定し、未来は明るくなっていくのではないかと思います。

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