ペット好きのシニアがペットにかける金額は3年間で8割上昇
ソニー生命保険株式会社が2022（令和4）年8月、全国のシニア（50歳～79歳）の男女に対して「シニアの生活意識調査」を行いました。その中で、現在の楽しみを「ペット」と回答した人を対象に、ペットに対する1カ月の出費を聞いたところ、平均額は以下のとおりです。◆ペットに対する1カ月の出費
対象：現在の楽しみを「ペット」と回答した人
・2020年：月額7000円（年額8万4000円）
・2021年：月額1万1000円（年額13万2000円）
・2022年：月額1万3000円（年額15万6000円）
ペット好きのシニアがペットのためにかけている金額は、年々上昇。2020（令和4）年と比べて、約8割も増えています。
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シニア家計に適したペット費用って？
犬の一生涯にかかる経費は「約245万円」、猫は「約150万円」
まずは犬や猫を飼うとき、1カ月当たりどのくらいのお金がかかるのか、一般社団法人ペットフード協会の「2023年 全国犬猫飼育実態調査」で確認すると、以下のとおりです。【犬1匹当たりの費用】
・1カ月当たりの平均支出額：1万4240円
・一生涯でかかる必要経費：約245万円（犬全体の平均寿命は14.62歳）
【猫1匹当たりの費用】
・1カ月当たりの平均支出額：8005円
・一生涯でかかる必要経費：約150万円（猫全体の平均寿命は15.79歳）
平均支出額に含まれるものには、食費や消耗品費、医療費、ペット保険などが含まれています。猫と比べ犬の費用は約6000円高くなります。その理由としては、犬はフィラリア予防薬・狂犬病の予防接種などの病気予防のお金や、毛並みを整えるトリミングなどに固定的なお金がかかることが考えられます。
さらに、ペットは人間と同じく、高齢になればなるほど病気治療などのお金がかかります。上記の1カ月当たりの平均支出額以外に、高齢期に向けての予備費として、2000～3000円ずつ積み立てをしておくと安心です。そう考えると、犬の飼育には毎月「1万7000円ほど」、猫の飼育には「1万1000円ほど」が必要になります。
仮に、シニアの一般的な家計費と比較したら？
ここからは、シニアの一般的な家庭での消費支出に、ペットの費用が含まれていたとすれば、どのくらいの割合を占めているのか考えてみましょう。総務省の「家計調査報告書（家計収支編）2022（令和4）年」で、65歳以上の夫婦のみの無職世帯と、65歳以上の単身世帯の平均的な消費支出をもとにします。
家計調査によれば、それぞれの世帯の平均的な収支は以下のとおりです。
◆65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合
・実収入 ：24万6237円
・月額消費支出：23万6696円
・非消費支出 ：3万1812円（税金など）
・不足分 ：2万2270円
◆65歳以上の単身無職世帯の場合
・実収入 ：13万4915円
・月額消費支出：14万3139円
・非消費支出 ：1万2356円（税金など）
・不足分 ：2万580円
●犬を飼っている場合
前述の犬の飼育費「1万4240円」「1万7000円（予備費含む）」に、月額消費支出に含まれていたとした場合の割合は、以下のとおりです。
【夫婦世帯】
・1万4240円÷23万6696円＝6.0％
・1万7000円÷23万6696円＝7.2％
【単身世帯】
・1万4240円÷14万3139円＝9.9％
・1万7000円÷14万3139円＝12％
もし、犬を飼うときは、現状の家計費のうち、夫婦世帯では「6.0～7.2％」、単身世帯では「9.9～12％」ほどとなります。
●猫を飼っている場合
前述の猫の飼育費「8005円」「1万1000円（予備費含む）」が、月額消費支出に含まれていたとした場合の割合は、以下のとおりです。
【夫婦世帯】
・8005円÷23万6696円＝3.4％
・1万1000円÷23万6696円＝4.6％
【単身世帯】
・8005円÷14万3139円＝5.6％
・1万1000円÷14万3139円＝7.7％
もし、猫を飼うときは、現状の家計費のうち、夫婦世帯では「3.4～4.6％」、単身世帯では「5.6～7.7％」ほどとなります。
シニア世帯の主な収入は年金です。それ以外であれば、働いて得る、貯蓄を取り崩すなどがありますが、消費支出に占めるペット費用の割合は、制限を決め、高くなりすぎないよう管理をしておく必要があるでしょう。
上記の割合は、あくまでも仮で出した数字なので参考程度となりますが、ペット費用は、消費支出の5～10％ほどを目安に考えるとよいのではないでしょうか。
