Q. 投資信託の「バランス型」と「ターゲットイヤー型」について教えてください
「投資信託のバランス型とターゲットイヤー型について知りたいです。どういった違いがあるのでしょうか」(stさん)「バランス型は資産配分の比率が変わりません。ターゲットイヤー型は設定した年に近づくにつれて資産配分の比率が調整されます」(深野さん)
一般的にバランス型もターゲットイヤー型も、株や債券、REIT(不動産投資信託)など複数の資産がミックスされている投資信託になります。通常、バランス型は組入比率が固定されています。例えば海外株式20%、国内株式20%、国内債券20%、海外債券20%、あとは海外のREITと国内のREITを10%ずつになっていて、基本的にはずっとこの比率のまま運用していきます。
もちろん、20%と決まっていた比率が途中で18%になったり、あるいは24%になったりすることもあります。しかし、一定の許容範囲が設定されていて、それを超えるような場合には、資産配分が増えているものを売ったり、資産配分が少ないものを買ったりして、また当初の比率に戻していきます。ですので、バランス型は10年経とうが20年経とうが、資産配分の比率は当初と同じです。
これに対してターゲットイヤー型は、設定した年(ターゲットイヤー)が近づくにつれて、資産配分の比率が自動的に見直されます。
例えば、2050年をターゲットイヤーと決めたとします。そうすると、2050年のターゲットイヤーを迎える前後から、資産配分比率は徐々に株やREITなどの値動きが大きいリスク資産の比率が減り、比較的値動きの小さい債券中心に概ね固定され、リスクを抑えた安定した運用が行われます。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など