Q. アップルの年利4%の預金サービス、日本でも預金できれば、投資よりも安全ですか?
「アップルが年利4%の預金サービスを始めると見ました。日本でも預金できるようになれば、投資などより安心なのでは?と思いました。実際のところ、どうなのでしょうか」(39歳・女性)アップルの年利4%の預金サービス、日本で開始したらどうする?
A. 条件付きではありますが「その通り!」です。利回りが高いなら安心ですね
質問者さまは「金利が高ければ、投資よりも預金のほうが安心では?」という点が気になるのだと思います。この着眼点はじつに的を射ていて、条件付きではありますが「その通り!」です。「預金が投資よりも安全かどうか?」は「利回り」で決まります。
たとえば、アメリカでは物価は年3.7%くらいのペースで上がっています。現金をそのまま持っていても紙くずになってしまうでしょう。だから、なるべく多くの金利を受け取って、インフレから資産を守る必要があります。
いま、アップル銀行にお金を預ければ「預金の利回り」は年4%です。一方、アメリカの株式(S&P500など)を買っても、年4%の配当は受け取れません。
「リスクを取っても年4%の配当を受け取れないのだから、リスクを取らずにアップル銀行にお金を預けて4%の金利を受け取ったほうが得じゃないか!」という言い分は、一理ありそうです。
米国株の中には年10%の配当を受け取れる会社もありますから、「リスクを取りたくないお金はアップル銀行に預金して、残りは配当収入の良い米国株を買ってみよう」と配分するのもアリです。
日本の場合も考えてみましょう。
いま、日本でも物価が年3%すこし上がっています。日本にもインフレが定着しつつありますから、このままいけば日本円も紙くずになってしまうでしょう。
しかし、日本の場合は銀行の「預金金利」はほとんどゼロです。銀行にお金を預けても、ちっともインフレ対策になりません。一方、日本の株式(TOPIX)を買うと、年2%くらいの配当は受け取れます。銘柄を選べば、年4%くらいの配当を受け取れる株もあります。
であれば、「銀行にお金を預けてジワジワと紙くずになってしまうよりも、株を買って配当を受け取り、すこしでもインフレに食らいつこう!」と考えるほうが妥当かもしれません。
いま、日本で株を買っている人は、預金金利が低くて「仕方がないから」という理由で買っている人も多いと思います。
質問者さまが考えたように、もしも日本で「金利4%」のアップル銀行が始まったら、日本株が売られて暴落して、アップル銀行へ資金が殺到するかもしれませんね。
◆ ◆ ◆
以上のように、「預金の安全さ」や「うまみ」は、その他の選択肢との兼ね合いで決まってきます。
多くの場合、お金をどこに置くべきかは「利回り」で良し悪しが決まります。質問者さまの言う通り、預金金利が上がれば投資のうまみが薄れますから「株を一部売って預金比率を増やす」のも良い判断になり得るでしょう。