チロルチョコへのリスペクトにあふれたゲームデザイン
――チロルチョコとのコラボは、どのように決まったのですか?小林:社内での企画は通ったんですけど、チロルチョコさんがご一緒してくれるかは分からなかったので、まずはチロルチョコさんに聞いてみましょうということになったんです。ただ、商品化窓口のようなものはなかったし、社内でも連絡先を知っている人がいなくて。実は、2008年にタカラトミーアーツでチロルチョコのガチャを作っていたらしいのですが、昔のことだし、自分でチロルチョコ公式サイトのお客様窓口から連絡しました。
――担当者がコラボ依頼のために一人で動くのは、タカラトミーアーツさんの社風みたいですね。
小林:そうかも知れませんね。そういう先輩を見ていましたし(笑)。連絡がついて、企画書を持ってお話を伺いに行ったら、チロルチョコさんは温かい方ばかりで、和やかに話も聞いてくださり、面白そうと言っていただきました。 ――ゲーム盤の中に、初代チロルチョコが印刷されていたりと、全体にチロルチョコへのリスペクトが感じられます。
小林:あちこちでチロルチョコを感じてもらえるようにデザインしています。パッケージやデザインもチロルチョコさんに監修していただいて、チロルチョコらしさが出せるように色味などの調整も頑張りました。盤上の「チロルロワイアルゲーム」のところに書かれている牛はチロルチョコのキャラクター「うしくん」にして、パッケージを開けて最初に出てくるのが、チロルチョコの柄だったり。それをやりたくて、ゲーム盤の裏にチロルチョコ柄を印刷して、パッケージに入れるときも、表側じゃなくて裏を見せるようにしました。このゲーム盤も、ただの紙ではなくて、チョコを食べながら遊んで、飲み物などをこぼしても拭けるようにPPコーティングをしています。
――開発中は、チロルチョコをいっぱい食べましたか?
小林:食べ過ぎました(笑)。サイズもいいし、テストプレイ中に小腹が空くと、つい食べてしまうんですよね。ただ、ゲーム中にあまり食べ過ぎるのもよくないので、ゲームの中では、食べるイベントを抑えて、1回のプレイで3個くらいを食べる程度にしています。やっぱり、駒や景品というだけではなく、ゲームの中でも食べたいじゃないですか。なので、「利きチロルチャレンジ」とかもイベントカードに入れてあります。
このように、紙製のチロルチョコ柄が印刷されたチップが付属するので、チロルチョコなしでもゲームは楽しめる。しかし、チロルチョコがあれば、楽しさは数倍になるので、できればひとり10個程度のチロルチョコを用意したい。その場合は、いろんな味のチロルチョコがアソートされたバラエティパックやバラエティBOXを用意するのが便利だ
小林:「きなこもち」が元々好きなんです。あれは冬限定で、ちょうど2023年がきなこもちの20周年だったんですよ。あと、今年は、チロルチョコを作っている松尾製菓さんの創業120周年なんです。いいタイミングで商品化できたと思います。企画が通ってから1年以上かかったのですが、苦労したかいがありました。
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