タカラトミーアーツ「チロルチョコわくわく争奪戦」2178円(税込)。商品サイズ:W580×H290×D64mm。プレイ人数は2~6人、プレイ時間は約60分。できれば、「チロルチョコ バラエティパック」または「チロルチョコ バラエティBOX」を用意すると楽しく遊べる
その形状からチロルチョコをゲームの駒に使おうと考えるのは分かります。実際、2014年にはチロルチョコから「チゴロク」という、チロルチョコ56個が入った箱の内側にすごろく盤が印刷された製品も発売されています。
しかし、「チロルチョコわくわく争奪戦」は、それだけにとどまらず、とにかくチロルチョコを楽しもうというゲームになっているのが面白いと思いました。しかも、チロルチョコ株式会社からではなく、タカラトミーアーツからの発売です。
このゲームの開発を担当したのは、タカラトミーアーツのFV企画部企画マーケティング課、小林奈央さん。新卒入社3年目の彼女は、このゲームが一人で企画から立ち上げて製品化した最初の製品なのだそうです。デビュー作にして、個性的なゲームを開発された経緯についてお話を伺いました。
チロルチョコを駒にして、食べながら遊べるゲームを作りたい
――「チロルチョコわくわく争奪戦」のアイデアの一番最初にあったのは、どういうものだったのでしょう。小林奈央さん(以下、小林):コロナ禍で若い人の間で話題になっているゲームがあると聞いてYouTubeを見たら、お酒を飲みながら遊ぶすごろくゲームで、駒も小さなボトルの形でかわいかったんです。それを見ていて、そういえば、実際の食べ物を使ってボードゲームで遊ぶという製品はあまり世の中にないなと思いました。ただ、お酒だと大人しか遊べないので、子どもや家族も遊べるようにしたいなと考えたときに思いついたのが、チロルチョコを食べながら遊ぶボードゲームというものでした。
――最初から、チロルチョコありきで考え始めたんですね。
小林:駒も実際のお菓子を使ったらかわいいなと考えていて、チロルチョコがピッタリだと思ったんです。種類も豊富なので、一人ひとり、違う種類の駒を持てるのもいいなと。 ――駒だけではなく、ゲーム内のさまざまなシーンでチロルチョコが使われるのが画期的だと思いました。
小林:まず、駒は絶対チロルチョコにしたかったんです。盤上でチロルチョコを動かす様子は絶対かわいいだろうと思って。そこから、ゲームの内容を考えていくうちに、他にも活用できると思い付きました。すごろくなのでゴールを目指すのですが、それを勝利条件にするより、一番多くチロルチョコを集めた人が勝ちという方が、お子さんも本気になって熱中できるんじゃないかと。チップやおもちゃのお金より、集める気になると思ったんです。
©チロルチョコ
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