Q. 株取引と将棋に共通する点はあります?
「株取引と将棋に共通する点はありますでしょうか?」(かにまる)――今回はこんな質問に、桐谷さんが答えてくださいました。
「先を読むことが大事で、『記録をつける』というのは共通しています」(桐谷さん)
私がプロ棋士の卵のとき、先輩から「自分の指した将棋の記録をつけるように」と言われ、記録をつけていました。株をやりだしてからも、同じように記録をつけるようにしています。東京証券取引所(東証)の「適時開示情報閲覧サービス」を見ると、上場している会社の情報が毎日たくさん発表されています。忙しくて全部を見る時間はないので、検索のところに「優待」と入れてクリックすると、平均で2~3社出てきます。それらの内容を見て「書いておいた方がいい」という開示情報を優待ノートに書いています。
例えば、2022年12月26日に瑞光<6279>という会社の株価は1株641円、配当が2.53%ありました。その日同社が、1年に1回2000円のQUOカードをくれるという優待情報を発表したんです。配当と優待を合わせると利回りは5.65%。私は翌日すぐに同社の株を買いましたね。
その後、瑞光の株価は徐々に上がっています。なるべく早くいい優待情報を見つけて買えば、儲かるわけですね。そういう意味で私は、記録をつけるようにしています。
――重要な銘柄情報の記録をつけておくことで、後で振り返って比較・検討することができ、先を読むための判断材料にもなるということですね。「良い優待銘柄を見つけたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
教えてくれたのは……桐谷広人さん
1949年広島県出身。将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。