そこで今回は、年末ジャンボ宝くじやロト6といった主要な宝くじの当せん確率を紹介しつつ、宝くじの1等に当せんするということがいかに難しいことなのか、具体例と比較しながら、考えていきたいと思います。
①主要な宝くじの1等の当せん確率とは?
表は、主要な宝くじの1等当せん確率と1等賞金額を示したものです。 これを見ると、やはり賞金額が高い宝くじほど当せん確率が低くなる傾向が見えます。例えば、1等7億円の「年末ジャンボ宝くじ」の1等当せん確率は2000万分の1であるのに対して、1等2億円の「ロト6」の1等の当せん確率は約610万分の1と、当せん確率が3倍以上上がっています。さらに、1等1000万円の「ミニロト」に至っては、1等の当せん確率が約17万分の1と、億越えの賞金を出す宝くじと比べるとかなり高い確率で1等に当せんすることがわかります。
②宝くじの1等の当せん確率がいかに低いのか――具体例との比較
さて、①で主要な宝くじの1等の当せん確率を見てきましたが、約17万分の1と言われても、いったいどの程度の確率なのか、いまいちピンとこないという人も少なくないでしょう。2000万分の1と比較すると約17万分の1という当せん確率も相対的に高い確率のようにも感じられますが、これだって冷静に考えればとてつもなく低い確率ですよね。しかし、確率があまりに低すぎるゆえに現実感が乏しく、上手にイメージすることができないのです。ましてや、2000万分の1となると、想像もつかないかもしれません。
そこで、具体例と比較しながら、約17万分の1や2000万分の1という天文学的な確率へのイメージを膨らませていきましょう。
例えば、「ミニロト」の1等当せん確率である約17万分の1という確率は、満員の東京ドーム(5万5000人収容)約3個分のお客さんの中から、たった1人が選ばれるような確率です。さらに、「年末ジャンボ宝くじ」の1等当せん確率である2000万分の1となると、満員の東京ドーム約363個分のお客さんの中から、たった1人が選ばれるのとほぼ同じ確率となります。満員の東京ドームをテレビなどで見たことがあるという人には、この比較だけでも、宝くじの1等当せん確率がいかに低い確率であるかがイメージできるのではないでしょうか? また、現在の東京都の人口は約1406万人で、仮に東京都の全人口が「ミニロト」を買ったとして、1等に当せんするのはわずか82人という計算になります。「年末ジャンボ宝くじ」に至っては、1等に当せんするのは0.7人という計算になり、東京都の全人口が買ったとしても、誰も1等に当せんしない可能性すらあるわけです。
さらに、アメリカの国家運輸安全委員会(NTSB)の行った調査では、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%とされており、約1万1111分の1です。つまり、ミニロトの1等ですら、飛行機事故に遭遇する確率よりはるかに低いわけで、「年末ジャンボ宝くじ」の1等となると、まさしく奇跡としか形容できない確率と言えるでしょう。
まとめ
人間は、数字があまりに小さい(もしくは大きい)場合には、イメージを浮かべることが非常に困難になります。今回の宝くじの1等当せん確率も然りで、17万分の1や2000万分の1がいかに低い確率であるかを具体的にイメージすることはほぼ不可能でしょう。そうした際には、今回の②のように、他の具体的なイメージと比較しながら、考える癖をつけましょう。そうすることで、数字のマジックなどにも惑わされにくくなりますよ。(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)