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災害時の非常食として選ばれる「お菓子」の共通点!鉄板の「乾パン」を抑えた圧倒的1位は…

防災のために、備えておきたいことのひとつは「非常食」ではないでしょうか。今回は特に「お菓子」に焦点を当てて、All About読者にアンケートを実施しました。その結果、人気があったお菓子と被災時に向けた備え方を筆者が解説します。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

防災月間にあらためて考えたい「非常食」のこと。All About読者を対象にしたアンケート結果をふまえて、特に「お菓子」の備え方について考えてみましょう。

非常食の鉄板といえば「乾パン」 

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非常食と言えば、鉄板の「カンパン」

今回のアンケートで多くの読者から挙がったのは「乾パン(カンパン)」と「ビスコ」です。どちらも保存性が高く、手軽に食べられるのが特徴です。

防災用非常食として知られている三立製菓の「カンパン」は、パンそのものの風味を楽しめ、腹持ちの良さも兼ね備えています。保存性と消化に優れているため、非常食として支持されるのも納得の結果と言えるでしょう。

読者からは、「親しみやすくおいしい(女性/46歳)」「食べ慣れている味で水と火があればおかゆ状にして温かくして食べられるから(女性/64歳)」「非常食と思われがちだが普段からおやつとして食べている(女性/59歳)」との声が寄せられました。
 

子どもも大好き「ビスコ」は安定の人気

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保存缶も人気

江崎グリコの「ビスコ」もまた、非常食として重宝される商品の一つ。骨や歯の成長に必要なカルシウムを多く含んでおり、栄養価が高いのが特徴。さらに「ビスコ保存缶」なら、賞味期限5年と保存性にも優れています。おなかの調子を整える乳酸菌が入っている点も注目です。

読者からは、「食べやすくてみんな好きだから(女性/67歳)」「子どもも食べられるので常備しています(女性/41歳)」「長持ちするので、賞味期限を頻繁にチェックしなくていい(女性/43歳)」といったコメントが寄せられていました。

■備蓄用と避難袋用を分けて考える
ここで非常食の大前提としての考え方ですが、自宅で消費するための「備蓄用」と、避難先や避難途中で消費する「避難袋用」のものとは、完全に分けて考えたほうがよいでしょう。それは「お菓子」を非常食とする場合も同様です。前者は缶入りや袋詰めのものであってもかまいませんが、避難袋に入れるには重量があり、スペース的にかさばるために適しません。

保存性が高い乾パンや「ビスコ」などは、昔から自治体などで大量に備蓄されるようになっています。しかし実は、飲料がないと非常に喉が渇く、大きな缶がかさばるという欠点があります。避難袋に入れておくお菓子としてはあまりおすすめできませんので、自宅消費用と覚えておきましょう。
 

1番人気はバランス栄養食「カロリーメイト」

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多彩なバリエーションも魅力

最も人気が高かったのは大塚製薬の「カロリーメイト」でした。人間の生命活動に必要な5大栄養素(タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)をバランス良く摂取できる点が最大の魅力。非常食用の「カロリーメイト ロングライフ」なら賞味期限は3年です。

読者からは、「かみごたえがありおなかが膨れ、栄養価が高い(女性/42歳)」「コンパクトで持ち運びやすいけどしっかり栄養がとれる(女性/44歳)」「特にパウチやゼリータイプの物は水分もあるため、非常食に適合している印象を受ける(女性/49歳)」という意見がありました。

カロリーメイトは保存性が高く、コンパクトで腹持ちが良いため、避難袋に入れておく非常食におすすめです。リキッドタイプなら食欲がなくても短時間で必要な栄養素を摂取できるでしょう。
 

まだある、人気の非常食「お菓子」は? 

今回のアンケートで、「カロリーメイト」「カンパン」「ビスコ」以外に人気のあったお菓子にも触れておきましょう。

■ポテトチップス
まずはポテトチップス。そのまま食べられる手軽さとボリューム感が人気です。塩分を含んでいるため、汗をかく夏季の非常食にもよいのではないでしょうか。非常食としては、5年保存可能な湖池屋「KOIKEYA LONG LIFE SNACK」があります。読者の自由回答では、「軽くてカロリーが高いから(女性/61歳)」「塩気もあり、だれでも好きなので(男性/64歳)」という意見が多くみられました。

■チョコレート
チョコレートは、エネルギー補給に最適な非常食として支持されています。糖分は体に素早く吸収され、短時間でエネルギーに変換されるため、すぐに活力を取り戻すことができるからでしょう。「家族が全員で食べれる好きなお菓子をチョイスしています(男性/52歳)」「疲労に甘いものは効果的だから(男性/58歳)」と好評な一方で、「夏には不向きだが、やはり甘いものはリラックスしたり嫌なことを少しでも忘れられる(女性/50歳)」と、溶けやすい性質を不安とする読者の声も。

■ようかん
ようかんは、和菓子の中でも保存性が高いことで知られています。甘さと滑らかな食感は、非常時においても一息つける時間を提供してくれるでしょう。井村屋の「えいようかん」には、「災害時でも少しでもうれしく思うものを選びました(女性/41歳)」「保存期間が比較的長く非常食に良いと聞いて(男性/55歳)」という読者の意見が集まりました。

ほかにも、備蓄食として人気の「缶入りパン」は、フルーツ味、チョコレート味などがあり、間食としての需要も高いと思います。また山登りをする人が利用するドライフルーツや乾燥野菜などの携行食も、被災時に不足する栄養素を補填(ほてん)してくれますのでおすすめです。
 

読者は「腹持ちの良さ」を重視していた

調査からは、非常食としてお菓子を選ぶ際に「保存性・栄養バランス・腹持ちの良さ」の3つを重視していることがわかりました。特に「腹持ちが良い」というキーワードが、非常に多く見受けられます。災害などの非常時には、食事回数が普段よりも少なくなることが予想されるため、一度の食事で満足感を得られるものを選ぼうという意識が強くなるのでしょう。

最近は保存技術が進歩していて、賞味期限が5年の商品もあります。食べることは心身の健康を保ち、生きるために必要なこと。今回の調査を、非常食について考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

【調査概要】
期間:2023年7月18日~2023年7月24日 
有効回答数:389人(20~76歳の男女) 
調査対象:All About読者
設問:非常食として備えておきたいお菓子のブランドと商品名、その理由を教えてください
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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