孫に嫌われた? 義母の気が突然変わった理由
ジュンコさんの子は現在、13歳、11歳、7歳になった。上のふたりは生意気盛りだ。時折、親でさえ理屈で負けることがある。長男にべったりだった義母は、あるとき長男から「おばあちゃん、うざいよ」と言われてショックを受けた。さすがにそれは謝らせたが、義母はこの一件で長男に寄りつかなくなった。
「子どもがあんなふうになるのは母親の教育が悪いからだと、さんざん私も言われました。夫まで『おふくろは愛情深い人間なんだ。傷つけないでほしい』って。でも義母は息子が望んで入った地域のサッカーチームに勝手に脱会届を出そうとしたんです。危ないからサッカーなんてさせられないと。
チームから私に確認がきて初めてわかった。息子もそれを知ってしまったので、義母に抗議した。その経緯があって、うざいと言い放ったんです」
母親を思う夫の“最低”な対応はどうか
夫にも説明したのに、夫は自身の母親を諫めず、長男を叱った。ジュンコさんは長男に「あなたが怒るのは当然。でも言い方に気をつけようね」と言う程度にとどめた。「義母はその一件で長男を『この子は怖いわ』とおおげさに避けるようになりました。そして標的は次女にうつった。まだ7歳だから反抗もしないし、義母にとっては扱いやすいんでしょう。ただ、上のふたりが『おばあちゃんには気をつけて』と次女に言い含めているようです」
義母が暴走して子どもたちに悪影響が及ばないよう、ジュンコさんは細心の注意を払って見つめ、子どもたちの話を聞くようにしている。小さなことでも子どもの心に思いがけない傷を残すことがあるからだ。
「長女はしっかりしていますし、長男はもう自分の世界にしか興味がない。次女は素直な分、義母の言いなりになりそうで怖いんです。だけど完全に引き離すわけにもいかないから、気をつけて見守るつもり」
それにしても、とジュンコさんはため息をつく。自身の母親の性格もわかっているはずの夫が、なぜ子どもを守ろうとしないのか。
「夫は母親だからと甘く見ているんでしょうね。義母の愛情はムラがあるし公平じゃないし、取り込む感じの愛情だから怖い。私自身、実母に取り込まれるようにして育ったので、義母の怖さがわかるんです」
義母に接するたび、自身の毒母を思い出すとジュンコさんは言った。だが、今は亡き実母から自立する意味も込めて、いずれ義母とはきちんと向き合ってみようと思っているそうだ。