この記事では、おすすめの「eSIM」を3選紹介します。
<目次>
海外旅行における通信手段の移り変わり
これまでは、通信手段としてWi-Fiルーターをレンタルするということが半ば常識となっていましたが、実は現在、海外でのデータ通信を取り巻く環境は劇的に変化しているのです。1つは携帯各社の海外ローミングサービスが大幅に安くなり、Wi-Fiルーターのレンタルより安く利用できるケースが増えていること。そしてもう1つは「eSIM」の存在です。
アップル社の「iPhone」やグーグル社の「Pixel」シリーズなど、最近のスマートフォンの多くは通常のSIMスロットに加え、「eSIM」と呼ばれる内蔵型のSIMが組み込まれています。そこにオンラインで情報登録することによって、1台のスマートフォンで同時に2つの回線を利用できるのです。
また、最近では「eSIM」対応のサービスに登録して、海外で割安にデータ通信ができます。それらをうまく活用すれば、Wi-Fiルーターをレンタルしたり、海外ローミングサービスを使ったりするよりも、大幅に価格を抑えて海外でのデータ通信が利用できるのです。
1. 海外旅行におすすめのeSIM「povo 2.0」
1つ目は、KDDI社の「povo 2.0」です。「povo 2.0」は月額0円から利用でき、必要なデータ通信量を必要に応じて「トッピング(必要な機能を別途自分で契約するオプション形式)」して通信する仕組みですが、2023年8月1日からは新たに海外向けデータ通信のトッピングにも対応。
SIMカードだけでなくeSIMにも対応しているので、国内外でデータ通信量が不足した時に利用しやすい、サブ回線として最適なサービスになったといえるでしょう。
・トッピングの種類は3つ
海外向けのトッピングは大きく分けて、90以上の国・地域で利用できる「レギュラートッピング」「ワイドトッピング」「エリアトッピング」の3種類です。
詳細は、画像の通りです。 「povo 2.0」の料金は後述するサービスと比べるとやや割高な部分が多いですが、日本の企業が提供しているので円で支払える、日本語でサポートを受けられるといった安心感が海外利用時には大きな強みとなります。
海外でeSIMを初めて使うという人には適しているのではないでしょうか。
2. 海外旅行におすすめのeSIM「Ubigi」
Ubigiはフランスのトランザテル(Transatel)という企業が提供する「eSIM」向けの海外ローミング専用のサービスです。専用のアプリをeSIM対応機種にダウンロードして、指示に従ってeSIMの設定をし、必要なプランを都度購入することで利用できるようになります。「Ubigi」は海外企業のサービスということも、国内産のサービスに比べて少し不安を抱く部分もあるかもしれませんが、実はトランザテルは日本のNTTグループの企業です。それゆえに「Ubigi」のアプリやWebサイトも日本語化されています。
また、料金を円で支払うことが可能であるなど、日本人でも比較的利用しやすいサービスとなっています。 ・「Ubigi」のプラン
「Ubigi」は大きく分けて「国・地域毎」、「エリア毎」、「世界中で使えるプラン」の3つが存在します。買い切りタイプだけでなく、月額・年額のプランがあるなどプラン数がより充実しているのが特徴の1つと言えるでしょう。
他にも、安価に利用できる国・地域毎のプランが充実していることも特徴的です。「povo 2.0」にはない、欧州の国別プランなども用意されており、フランスの場合10GB(30日利用可能)で1700円と、非常にお得なプランもあります。 ただ、日本人が多く訪れる国や地域では、安価なサービスが提供されていないケースも意外と多いようです。訪れる国に応じて選ぶことがポイントとなるでしょう。
3. 海外旅行におすすめのeSIM「Airalo」
「Airalo」も「Ubigi」同様、スマートフォンのアプリを通じて利用する「eSIM」向けの海外ローミング専用サービス。200以上の国・地域の現地プランが用意されていることから、安価に利用できる国や地域がより多いのが特徴です。例えば、アメリカでは通信量1GB(7日間利用可能)で4.5ドル(約638円)から。ドイツの場合、通信量1GB(7日間利用可能)で5ドル(約708円)からなど、「povo 2.0」や「Ubigi」にはない国のプランがあるのも魅力的です。
国や地域によっては、通信量無制限のプランを提供していることもあり、韓国の場合10日間利用で32ドル(約4537円)、タイに至っては8日間利用できて9.9ドル(約1403円)と非常にお得です(ただし通信量に応じた速度制限あり)。 ・リージョナルeSIMも安くてお得!
また、特定のエリア内で利用できる「リージョナルeSIM」も料金が安くてお得です。
実際に、アジアやヨーロッパ向けではプランでは、通信量1GB(7日間利用可能)で5ドル(約708円)、5GB(30日間利用可能)でも20ドル(約2835円)で済むことから、複数の国をまたいでの旅行にも役立ちます。 ただ、海外の事業者が提供するサービスということもあって、料金がドル建てであり、支払う金額が為替レートに左右されるなど、日本人には利用しづらい部分があるのも確か。
先に挙げたサービスと比べると、利用のハードルはやや高いと感じる人もいるかもしれません。
海外旅行が多い人は「ahamo」「Rakuten最強プラン」も検討を
ここまでは海外旅行の時だけお金を払って利用できるプリペイド方式、あるいはそれに近い仕組みのサービスを取りあげましたが、もう1つ、海外ローミングに強い月額制のサービスを契約してeSIMに登録しておく手もあります。その代表例がNTTドコモの「ahamo」と楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」の2つ。
・「ahamo」
「ahamo」は月額2970円ですが、15日以内であれば82の国や地域で毎月最大20GBの通信量を利用可能。ただし15日が経過した後の日本時間0時以降は、日本に帰国するまで通信速度が128kbpsに制限される点に注意して下さい。 ・「Rakuten最強プラン」
「Rakuten最強プラン」は月額1078円からですが、70の国や地域で毎月最大2GBの通信量を利用可能。ahamoと比べれば通信量は少ないですが日数の制限はありませんし、不足したら1GB当たり500円と比較的安価に容量の追加が可能。
また「Rakuten Link」アプリを使うことで、海外から国内に無料で電話をかけられるメリットもあります。 いずれも毎月料金がかかってしまうのが弱点ですが、維持費はそこまで高くはない上、何より日本企業のサービスなので日本語でサポートを受けられる安心感があります。
海外旅行に行く機会が多い人であればサブ回線として契約しておいてもよいのではないでしょうか。