娘がひとり暮らしをすることになって
別にノリコさんは間違ったことをしてきたわけではない。今まで自分が信じてやってきたことを自分で肯定してもいいはずだ。自立していった子どもがまた実家で食事をしたとき、「これがお母さんの味だよね」と思う日はきっと来るはず。彼女の思いはわかるのだが、ただしそれが妙な「正義感」と「押しつけがましさ」を内包するから、家族は少し疎ましく感じているのだ。
「家族といってもわかり合えるものではないんですね。私がどんな犠牲を払って家族のために頑張ってきたのか、誰も思いやろうともしてくれない」
ノリコさんの怒りと絶望感はなかなかおさまる気配がなかった。
原案:亀山早苗
マンガ:かとひと(@33_hito)