Q：年金生活者の国民健康保険料はいくらになりますか？ 夫婦で月20万円ほどの年金です
「65歳からもらえる年金は、夫13万円、妻6万4000円。国民健康保険料はいくらになりますか？」（匿名希望）
年金生活者の国民健康保険料はいくら？
A：新宿区に住む夫婦と仮定すると、1カ月あたりの目安の国民健康保険料は約1万240円
国民健康保険料は、住んでいる自治体や所得金額、世帯人数などで違います。今回は、新宿区に住み、年金をもらっている夫婦2人をモデルケースとして、夫の年金は月額13万円、妻の年金は月額6万4000円で計算したいと思います。新宿区の国民健康保険料は、【1】基礎賦課額（医療分）、【2】後期高齢者支援金等賦課額（支援金分）、【3】40～64歳まで支払う介護納付金賦課額（介護分）があります。これら【1】【2】【3】それぞれに、均等割額と所得割額が設けられており、全てをあわせて国民健康保険料とされています。今回は、令和5年度の保険料率で試算してみます。
前年中の所得が一定の基準以下の世帯については、均等割額が軽減されますが、今回は、昨年まで働いて一定の給与収入があり、軽減の対象には該当しない世帯とします。公的年金等控除額と基礎控除額のみを控除します。
【所得額（雑所得）の計算】
国民健康保険料を算出するために、まずはモデルケース世帯2人の所得額（雑所得）を計算します（年金収入のみ）。
●夫65歳：年金月額13万円×12カ月＝156万円（公的年金等控除額（110万円）控除後の雑所得は46万円）
●妻65歳：年金月額6万4000円×12カ月＝76万8000円（公的年金等控除額（110万円）控除後の雑所得は0円）
では、国民健康保険料の均等割額と所得割額をそれぞれ計算していきます。
【均等割額の計算】
新宿区の国民健康保険料の均等割額は、医療分が【4万5000円×世帯の加入者数】、支援金分が【1万5000円×世帯の加入者数】となっています。介護分は今回のモデルケースではかかりませんので、以下の計算になります。
医療分：4万5000円×2人＝9万円（a）
支援金分：1万5100円×2人＝3万200円（b）
合計（a）＋（b）＝12万200円（ア）
【所得割額の計算】
夫：雑所得46万円－基礎控除額43万円＝算定基礎額3万円
妻：雑所得は0円ですので、所得割額の負担はなし
夫の医療分3万円×7.17％＝2151円（A）
夫の支援金分3万200円×2.42％＝730円（B）
合計（A）＋（B）＝2881円（イ）
【年間の国民健康保険料：合計額】
12万円（ア）＋2881円（イ）＝12万2881円（1カ月あたり保険料は約1万240円）
偶数月に支給される年金額からおよそ2カ月分ずつ引かれることになります。
以上は、あくまでも試算です。正確な保険料は、必ず住んでいる自治体に確認しましょう。
※参考資料：新宿区ホームページ『保険料の計算方法について』
https://www.city.shinjuku.lg.jp/hoken/hoken01_001028.html
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監修・文／深川 弘恵（ファイナンシャルプランナー）
