ハンバーガーをたくさん食べる街はどこ?
今回は、総務省「家計調査」をもとに、ハンバーガー屋で外食する金額が高い街・低い街をランキング形式で紹介していきます。参考までに、外食といえば、ハンバーガーと人気を二分しているラーメンについても見てみましょう。
どこの都市が一番ハンバーガーを食べてる?
総務省統計局の「家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2020年(令和2年)~2022年(令和4年)平均)」によると、2020年~2022年における1世帯あたりの「ハンバーガー(外食)」への年間支出金額の全国平均は5434円。この全国平均は、2017年~2019年で4141円、2018年~2020年で4592円、2019年~2021年で5067円となっており、ハンバーガーの消費支出自体が年々増加していることが分かります。都道府県庁所在市および政令指定都市別で見ると、外食でのハンバーガーの消費支出ベスト10は以下の通りです。 第1位は熊本市。年ごとの消費支出の数字で見ても、2020年は6869円で全国5位、2021年は7207円で4位、そして2022年は8581円で1位と、年を追うごとに消費が増えているようです。熊本市にあまりハンバーガーのイメージはないかもしれませんが、車社会が発展していることから、コロナ禍以降、非接触で購入ができるドライブスルーの需要が高まっていることがその要因のひとつではないかと考えられます。
第2位はさいたま市。さいたま市はハンバーガーに限らず、そもそも外食への支出額が多く、外食全体の支出金額でも全国4位となっています。さまざまなジャンルの外食への支出ランキングで、上位の常連となっています。
第3位の徳島市。支出額は7211円と全国平均よりも1700円以上上回っています。特に2021年は8369円と全国で1位の消費量となっています。阿波牛、阿波尾鶏、鳴門鯛など、徳島ブランドの食材を使った「徳島バーガー」も人気です。
ハンバーガーの消費が少ない都市も見てみよう
一方、2020年~2022年における1世帯あたりのハンバーガー消費支出のワースト10は次のようになっています。 ワーストランキングに入った都市を見てみると、盛岡市、北九州市、青森市、和歌山市など、外食全体の消費支出額が少ない都市がランクインしていることが分かります。その中でもワースト1位の秋田市は3634円、2位の長崎市は3636円と、他の都市に比べて一段と少ない数字になっています。外食でのラーメンの消費量も都市別にチェック!
参考までに、ラーメン屋の消費ランキングも見てみました。「家計調査」によると、2020年~2022年における1世帯あたりの「中華そば(外食)」への年間支出金額の全国平均は5891円となっています。都道府県庁所在市および政令指定都市別で見ると、外食でのラーメンの消費支出ベスト10は以下のようになっています。 第1位は山形市。消費量は1万3096円と、全国平均の倍近くなっています。2020年まで8年連続でこのランキングで首位をキープしてきた山形市は、いわずとしれたラーメン王国で、ラーメン店舗数でも全国トップを誇っています。山形市ではラーメン屋と行政が連携して情報発信しており、納得の順位といえるでしょう。
第2位は、2021年に首位だった新潟市。消費量は1万2562円と、山形市と並んで頭ひとつ抜けた数字となっています。「新潟5大ラーメン」と呼ばれるように、県内では地域ごとにさまざな種類のラーメン文化が根づいており、県民に広く愛されています。
第3位は仙台市。消費量は9775円と、2位の新潟市とは3000円近く差がついています。ちなみに、仙台がこのランキングでトップ3に入ったのは8年ぶりとのこと。
ラーメンの消費量は地域ごとに違いがある!?
一方、外食でのラーメンの消費支出ワースト10は次の通り。 ベスト10とワースト10を見比べたときに分かるのは、ラーメンの消費量は完全に東高西低となっているということ。実際、ベスト10の都市は東北と北陸に集中しているのに対して、ワースト10は大阪市や京都市、長崎市など、すべて西日本の都市となっています。ハンバーガーとラーメンのベスト10を見比べてみると、同じ人気の外食でもかなり異なった顔ぶれになっています。ラーメンに比べてハンバーガーは地域ごとの消費量にそれほど大きな違いがなく、全国的に広く楽しまれているということが分かります。またラーメンの場合、すでに触れたように東日本と西日本では明確な差があり、地域性が色濃く反映されている点も興味深い結果といえるでしょう。
今回は、都市別にハンバーガーとラーメンの消費支出が多い都市、少ない都市を紹介しました。読者のみなさん家庭では年間どれくらい購入しているか、全国平均やお住まいの地域の金額と比べてみましょう。比較してみて消費があまりに多いといった場合には、外食の機会を見直してみるとよいかもしれません。
(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)