仕事・給与

【2023年最新版】業種別・年収ランキング!平均年収443万3000円

令和3年(2021年)分の給与、年収を業種別にランキングしました。トップの業種の常連は「電気・ガス・熱供給・水道業」。さて、2021年は? 他の業種や男女別、年齢別の年収もあわせてご紹介します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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<目次>

会社員の給与、年収は業種でどのように違うのでしょうか? 業種での年収の違いは気になるところです。国税庁が実施している「民間給与実態統計調査(令和3年分)」(令和4年9月発表)のデータをもとに、業種別のランキングを紹介します。

この調査は、従業員1人の事業所から調査対象としています。民間企業の従業員で非正規雇用者も対象としているので、より実態に近い結果といえそうです。

・参考「民間給与実態統計調査(令和3年分)」(令和4年9月発表)
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf

全業種の平均年収443万3000円。正規雇用のみでは508万4000円

【表1】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与と対前年比。そのうち正規、非正規別にも集計したもの。出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

【表1】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与と対前年比。そのうち正規、非正規別にも集計したもの。出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

表1は、民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与と対前年比です。また、そのうち正規、非正規別にも平均給与を集計したものとなります。ここでいう平均給与とは、給料や手当、ボーナスなどの合計額(通勤手当は含めず)で、いわゆる平均年収です。

男女あわせて全業種の平均年収は443万3000円で、前年比2.4%の増加でした。前年(令和2年分)の調査では前年比0.8%ダウンでしたが、今回の調査では上がっています。

雇用形態別にみてみると、正規雇用の平均年収は508万4000円なのに対して、非正規雇用は197万6000円。労働時間の違いがあるとはいえ、差は大きくひらいています。特に男性の差が大きく、正規の平均年収569万9000円に対して非正規266万8000円。つまり非正規の平均年収は、正規の平均年収の半分にも満たず約46%という低さです。年齢や勤続年数など条件が異なり、単純には比較できませんが、格差は深刻な状況です。

男女別にみると、男性の平均給与は545万3000円に対して、女性は302万円。平均年齢も46歳とほぼ同じ、平均勤続年数は男性14.2年、女性10.4年と男性が4年ほど長くはなっていますが、それでも男女の給与差は大きくなっています。

高年収は電気・ガス・熱供給・水道業などの765万6000円、金融業、保険業676万9000円

【表2】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、男女別に集計したもの。出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

【表2】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、男女別に集計したもの。出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

表2は平均給与を業種別・男女別に集計し、合計年収が高い順に並び替えたものです。一番高年収だった業種は、電気・ガス・熱供給・水道業で765万6000円。全体平均443万3000円の約1.7倍という、超高額な平均年収となっています。2位は、金融業、保険業の676万9000円、3位は情報通信業の623万6000円と続きます。

中でも注目したいのが、電気・ガス・熱供給・水道業などの女性の平均収入。561万2000円で、他の多くの業種が100万~300万円台という中で500万円超えと飛びぬけて高くなっています。また、女性の平均は、金融業、保険業で445万3000円、情報通信業で458万6000円と高い傾向にあります。いずれも、女性が正規で長く勤めやすく、収入もあがる仕組みができているのでしょう。

年収が低い業種は、宿泊業、飲食サービス業で259万6000円。200万円台は、この1業種のみとなっています。また、農林水産・鉱業310万1000円、サービス業368万5000円、卸売業・小売業377万1000円と続き、300万円台はこの3業種となっています。飲食サービス業などは勤務時間が短い非正規雇用者が多い業種です。この結果は予想できるとはいえ、平均の433万円の6割弱というのは厳しい結果です。

業種別の平均年収をみてきました。さらに詳しく年齢別の平均年収をご紹介しましょう。

平均年収は55~59歳がマックスになる?

【表3】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、年齢別に集計したもの。出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

【表3】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、年齢別に集計したもの。出典:令和3年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

表3は、平均給与を業種別・年齢別に集計し、合計年収が高い順に並び替えたものです。一番高収入な年齢層を青で色を塗っています。

業種計では、55~59歳の平均年収529万円が一番高額で、その後は下がっているのがわかります。その前の50~54歳が520万1000円とほぼ同じ収入となっており、50代が収入のピークとなっています。また、50代後半から60代前半には100万円強ダウンとなっており、大幅に下がっている様子がわかります。一般的に60歳定年制度で60歳以降は再雇用となり、給与が下がっている様子がわかります。

電気・ガス・熱供給・水道業の45歳から59歳までが平均年収900万円超え

業種別にみてみると、電気・ガス・熱供給・水道業は70歳以上が平均年収1676万9000円と驚くほどの高給となっていますが、これは一部の役員などのデータと思われます。これを除くと、50~54歳の971万6000円が一番高額となっています。45~49歳、55~59歳も共に平均年収900万円を超えています。45歳から59歳までが900万円超えと他の業種ではみられない高収入です。

電気・ガス・熱供給・水道業の人数は17万人程度。全業種は5270万人なので、たったの0.3%しかいません。そのうち、70歳以上は50人。1676万円という高給な平均データは50人の限られた人のデータです。

他の業種で一番高額な年齢層での平均年収は、情報通信業55~59歳で824万6000円。また、金融・保険は50~54歳で810万6000円。800万円を超えるのは、この2業種の年齢層です。どちらもこれを超えると右肩下がりに減少しています。金融業、保険業は55歳あたりで役職定年となる影響で、年収のピークが早くなっています。

多くの業種では年収がピークに達するのが50代後半ですが、複合サービス業では40代後半、宿泊・飲食サービス業では40代前半となっています。業種によって年齢別の年収動向が変わっています。勤務体系や就業人数などの違いにより、一概には年収の動向を判断するのは難しいところですが、勤務先の動向を調べて、今後の収入を予想しておくと、将来のライフプランを考える参考にもなるでしょう。

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